室の中、あの符文の法陣の唸り声は、一段と重く沈んでいった。リーゼロッテはその場に立ち尽くしたまま、アリを包む淡い青の光の靄が、少しずつ薄れていくのをはっきりと感じていた――消えかけた灯火のようだった。火はまだ残っているが、もう油はほとんど残っていない。「何を待っている」首領の声には、隠しきれない余裕があった。「迷えば迷うほど、あの子はもつだろうか、それとも早く尽きるだろうか。興味深いところだな」「私に迷わせたいのですね」リーゼロッテは無理やり自分を落ち着かせた。「それ自体が、あなたの狙いの一つでしょう」首領は笑ったが、否定はしなかった。彼女は目を閉じ、もはやあの法陣を見るのをやめ、意識を自分の体内へと向け直した――あの緋色の力は、今、微かに、本能的に、アリのいる方向を拒み、抗おうとしている。それは無理やり抑え込めるような反応ではなく、血脈の根源に深く刻まれた、生まれつきの警戒に近いものだった。帰元と風は、本来共鳴すべきものであり、取って代わるものではない。彼女は御書房で見たあの残された頁の一文を思い出した――「七脈共鳴、方に開くべし」。取って代わるのではない、呑み込むのでもない。共鳴なのだ。もし首領の言う「拒絶反応」が本当だとすれば、問題の核心は、彼女がアリに近づくべきかどうかではなく――どうやって近づくか、なのかもしれない。もし「自分の力で覆い、押さえつける」という気持ちで近づけば、当然、反発と衝突が起きるだろう。だが、もし、自分の力を、アリに残されたわずかな風脈と「共鳴」させようとするだけで、無理に介入しないとしたら?その考えが浮かんだ瞬間、リーゼロッテの心臓が急に速く打ち始めた。この考えが実際にうまくいくという確信はなかったが、今この状況では、力ずくでぶつかる以外の、唯一の選択肢のように思えた。「何を考えている」首領がその表情の変化に気づき、瞳に警戒の色をよぎらせた。リーゼロッテは答
آخر تحديث : 2026-09-10 اقرأ المزيد