レオンハルトの声がした。 いつの間にか扉のところに立っていた。 外套を脱ぐ前にこちらへ来たらしく、肩に朝露が残っている。 「殿下。港からの続報は?」 クラリスが尋ねると、彼は封書を机に置いた。 「灰倉で見つかった外套二十四着は、モントレイ子爵家の慈善音楽会分でほぼ確定だ。縫い付けられていた内側の印が一致した」 「西孤児院へは?」 「証拠記録後、品質確認をして渡す。劣化があれば王弟府で補填する」 「ありがとうございます」 クラリスは深く頷いた。 外套が、ようやく本来の場所へ向かう。 二年遅れで。 取り戻せないものは多いが、それでも届かないよりはいい。 レ
Última actualización : 2026-09-14 Leer más