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第 166 話

last update publish date: 2026-09-14 13:26:54
珍しいことだった。

以前なら、呼ばれない限りこういう場所には来なかった。

彼は少し居心地悪そうに立ち、クラリスへ向かって言った。

「来賓控えは、役に立ったか」

「はい。とても」

クラリスが答えると、ジュリアスは目を伏せた。

「そうか」

それだけで少し安心したようだった。

レオンハルトが言う。

「よく見つけたな、兄上」

「たまたまだ」

「たまたまでも、読まなければ見つからない」

ジュリアスは、弟を見た。

何か言い返しかけ、やめた。

「……そうだな」

短い返事。

だが、以前より柔らかい。

ミレーヌが少し離れたところから兄妹を見るような顔でジュリ
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    「まず、記録です」 クラリスは自分に言い聞かせるように言った。 イリスが頷く。 「はい」 オスカーは、すでに白紙を用意していた。 さすがだった。 「照会項目を整理します」 クラリスは椅子に座り直し、羽根ペンを取った。 まず、見出し。 財務院人事候補案に関する確認事項 一、異動案が作成された日付。 二、候補者選定の基準。 三、エリオット・グレイン監査官の現在担当案件。 四、確認費基準草案作成への関与状況。 五、北方慈善交易路共同調査案への担当予定。 六、異動後の代替担当者。 七、異動理由の詳細。 八、財務院内規における人事候補選定手

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