「……はい」 「地方孤児院は、王宮の書式に慣れていません。人手も少ない。受領控えを書く者が、院長一人かもしれない。あるいは、読み書きに慣れた職員が限られているかもしれない」 ミレーヌは、手元の紙を見つめた。 自分の文面が、急に冷たく見えてくる。 このままでは受領確認として認められません。至急、正確な数量、状態、受領者名を記入し、再提出してください。 間違ってはいない。 でも、受け取る側からすればどうだろう。 王宮から、あなたの書類は認められません、と言われたように見えるかもしれない。 自分たちが何か悪いことをしたのかと怯えるかもしれない。 「確認は、相手を怯えさ
Last Updated : 2026-10-03 Read more