オンライン会議の当日、三重野グループの株主たちが顔を揃えていた。大輔が議長席にふんぞり返っていて、賢太はその右側に腰を下ろしていた。結衣ももちろん、同席していた。映像がつながった時、私は海外の研究室にいた。背後には、データを映し出すスクリーンが一面に広がっていた。プロジェクト責任者が立ち上がり、紹介した。「こちらが、新たにグローバル研究開発部門の統括責任者に就任された、三重野知紗様です」会議室が、一瞬で静まり返った。真斗が画面を見つめた。「いつの間に統括責任者になったんだ」「この会議とは関係ありません」私は書類を開いた。「使用許諾の話をしましょう」大輔が怒りを抑えつけた。「知紗、会社の状況は分かってるだろう!まず生産再開の目処をつけろ。他の話は家に帰ってからにしろ」「帰る家なんて、ありません」「そこまで言い切る必要があるのか」「先に全部切り捨てたのは、そちらでしょう」大輔の顔が険しくなった。結衣がそっと彼の袖を引いた。「知紗姉ちゃん、大輔兄ちゃんここ数日、ろくに眠れていないの。これ以上怖がらせないであげて」私は、彼女に目を向けた。「浅野結衣さん、これは臨時株主総会です。関係者以外は、ご退席を」結衣の目がたちまち赤くなった。案の定、賢太がすぐさま眉をひそめた。「彼女は三重野家の一員だ」私は、淡々と返した。「姓は浅野のままで、株式を1株も持っていません」何人かの株主が、笑いを堪えるように俯いた。結衣の顔から、さっと血の気が引いた。大輔は、秘書に彼女を退席させるよう命じた。大輔が結衣をかばわなかったのは初めてのことだった。会議が再開された。私の弁護士が、株式の証明を提示した。「三重野知紗様は、三重野グループの株式の27パーセントを保有しておられます。これまでは、三重野大輔様に議決権の代理行使を委任されていました。本日をもって、その委任は正式に終了しております」大輔が机を叩いた。「この件は、後で話し合う。まず生産を解決しろ」「生産の問題を解決するためにこそ、研究開発を正当に評価できる経営体制に見直す必要があるんです」私は、他の株主たちに目を向けた。「この5年間、三重野グループは私の特許によって320億
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