※ ※ ※ ※ ※ 大学入学と同時に始まった、新しい生活。 両親が「女の子の一人暮らしは危ないから」と用意してくれたのは、凌さんのマンションの隣室だった。 凌さんは、お母さんの友人の息子さんだ。 十二歳年上で、私は幼い頃から実の兄みたいに慕っていた。 凌さんには私の部屋の合鍵を渡していた。それほど安心しきっていた。 それなのに、今、私は――……。 「あ゙っ゙、ゔぁあっ、らめっ、らめっ、うぁ、あぅっ」 激しく揺れる視界の中で、私は必死に目の前の現実を拒もうとしていた。けれど、私の腰を掴んで離さない凌さんの大きな手は、容赦というものを知らない。 真新しい家具の木の香りが漂っていた清潔な1ⅬⅮKは、今や凌さんの放つ抗いがたい雄の香りに支配され、酷く淫らに濁りきっていた。 「……っ、や゙、やめ゙でっ、おにいちゃっ」 泣きながら縋る私の言葉など、今の凌さんには届かない。 三十二歳の男の顔をした彼は、冷ややかな、けれど独占欲に満ちた瞳で私を見下ろしている。 「お兄ちゃん? ……そんなふうに思っていたのは、お前だけだ」 低く響く声とともに、凌さんの膝に跨らされた私の最奥へ、逃げ場のない衝撃が突き立てられた。 「ひ、あぁっ!! ぁ、あ……ッ!!」 完全に膣(なか)を埋め尽くす、暴力的なまでの質量。 「――俺は、お前を一度も妹だと思ったことはない」 ※ ※ ※ ――大学入学前。 新しい家電、ベッド、ソファー、ピンクの花柄のカーテン。 思いっきり息を吸い込むと、新築の匂い。 このマンションの五階の奥が今日から私のお城。 引っ越し業者が立ち去り、段ボールが山積みになった広めのリビングで私は両手を上げて、ぐ~っと背伸びをした。 早朝に実家から新住居まで遠距離を車に座りっぱなしだったから、体がバキバキする。 (って、運転したのは私じゃないんだけどね) 不意に、ガチャリと鍵が開く音がした。 振り返った先、玄関に立っていたのは凌さんだった。 ラフなシャツとズボンという寛いだ格好。けれど、その薄い生地越しでも、日頃から鍛えられていることが分かる厚い胸板や、逞しい肩のラインが浮き出ている。 三十二歳。学生時代に司法試験を合格し、二十七歳という若さで自らの法律事務所を立ち
Última atualização : 2026-10-04 Ler mais