お兄ちゃんに上書きされて~彼氏がいるのに、嫉妬に狂った幼馴染に囲われて逃げられない~

お兄ちゃんに上書きされて~彼氏がいるのに、嫉妬に狂った幼馴染に囲われて逃げられない~

last updateÚltima actualización : 2026-10-04
Por:  美木 猫助En curso
Idioma: Japanese
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「お兄ちゃんみたいな人」のはずだった。 初めてできた彼氏を報告した、次の日の夜。 幼なじみは、壊れたように私を抱いた。 現代×幼なじみ×年上×執着×上書き愛

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Capítulo 1

001話

 ※ ※ ※ ※ ※

 大学入学と同時に始まった、新しい生活。

 両親が「女の子の一人暮らしは危ないから」と用意してくれたのは、凌りょうさんのマンションの隣室だった。

 凌さんは、お母さんの友人の息子さんだ。

 十二歳年上で、私は幼い頃から実の兄みたいに慕っていた。

 凌さんには私の部屋の合鍵を渡していた。それほど安心しきっていた。

 それなのに、今、私は――……。

「あ゙っ゙、ゔぁあっ、らめっ、らめっ、うぁ、あぅっ」

 激しく揺れる視界の中で、私は必死に目の前の現実を拒もうとしていた。けれど、私の腰を掴んで離さない凌さんの大きな手は、容赦というものを知らない。

 真新しい家具の木の香りが漂っていた清潔な1ⅬⅮKは、今や凌さんの放つ抗いがたい雄の香りに支配され、酷く淫らに濁りきっていた。

「……っ、や゙、やめ゙でっ、おにいちゃっ」

 泣きながら縋る私の言葉など、今の凌さんには届かない。

 三十二歳の男の顔をした彼は、冷ややかな、けれど独占欲に満ちた瞳で私を見下ろしている。

「お兄ちゃん? ……そんなふうに思っていたのは、お前だけだ」

 低く響く声とともに、凌さんの膝に跨らされた私の最奥へ、逃げ場のない衝撃が突き立てられた。

「ひ、あぁっ!! ぁ、あ……ッ!!」

 完全に膣(なか)を埋め尽くす、暴力的なまでの質量。

「――俺は、お前を一度も妹だと思ったことはない」

 ※ ※ ※

 ――大学入学前。

 新しい家電、ベッド、ソファー、ピンクの花柄のカーテン。

 思いっきり息を吸い込むと、新築の匂い。

 このマンションの五階の奥が今日から私のお城。

 引っ越し業者が立ち去り、段ボールが山積みになった広めのリビングで私は両手を上げて、ぐ~っと背伸びをした。

 早朝に実家から新住居まで遠距離を車に座りっぱなしだったから、体がバキバキする。

(って、運転したのは私じゃないんだけどね)

 不意に、ガチャリと鍵が開く音がした。

 振り返った先、玄関に立っていたのは凌さんだった。

 ラフなシャツとズボンという寛いだ格好。けれど、その薄い生地越しでも、日頃から鍛えられていることが分かる厚い胸板や、逞しい肩のラインが浮き出ている。

 三十二歳。学生時代に司法試験を合格し、二十七歳という若さで自らの法律事務所を立ち上げた彼は、一度決めたことは絶対にやり遂げるという苛烈なまでの意志を秘めている人だ。

「疲れてないか?」

 重低音で落ち着いた声――耳の奥を擽るような。

「私は大丈夫だよ!」

 擽る感触を消し去るように、私は凌さんの元に駆け寄った。

「お兄ちゃん、運転ありがとう! でもせっかくお休みなのに、ごめんね……」

 私は肩を落とした。

 仕事で忙しい彼の時間を奪ってしまった。大学入学を機に一人暮らしを始める一人娘の引っ越しが心配で堪らない両親は、お隣さんが凌さん、だけでは足りずに引っ越しまで一緒にいてくれるように頼んだのだ。

(お兄ちゃんが遠くに引っ越しちゃって、滅多に会えなくなって……そりゃ、久し振りに長い時間車の中で一緒に過ごせて嬉しかったけど……)

 嬉しかった気持ちは、両親の過保護ぶりを思い出した瞬間、急に申し訳なさへ変わってしまった。

 申し訳なさに小さくなった私を見て、凌さんはふっと口角を上げた。

 一歩、彼が踏み込むだけで、新築の匂いしかしなかった部屋の空気が、ふわりと香水の匂いと、彼自身の体温に塗り替えられる。

「お前のためなら、どこまでも運転するさ」

 凌さんの大きな手が、私の頭に置かれた。

 しゅん、と落ち込んだ私の髪を、くしゃくしゃっと掻き乱す手つきはどこまでも優しい。

 この手に守られている限り、私は世界で一番安全なんだ――そんな錯覚をしてしまうほどに。

「腹減ったな。飯食いにいこう」

 私を見下ろしたまま、にっ、と笑った凌さんの笑顔は、大人の男になっても昔と変わってはいなかった。

「うん!」

 私は、彼の差し出した大きな掌に、疑いもせず自分の手を重ねたのだった。

 ※

 近くの定食屋で遅めの昼食を済ませると、凌さんは私の部屋まで荷解きの手伝いに戻ってくれた。

 シャツの袖を捲り上げ、逞しい腕で彼は嫌な顔一つせず、重い段ボールを次々と片付けていく。

 私一人では到底終わらなかった作業を、凌さんはほぼ一人で終わらせてくれた。

「これでよし。あとはお前が明日から、ここで一人でどう過ごすかだな」

 そう言って、凌さんはキッチンの蛇口をひねって、手を洗う。その慣れた動作は、まるでもう自分の家であるように自然だった。

 私は眼鏡の位置を指先で直し、凌さんの隣で彼を眺めた。

「本当にありがとう、お兄ちゃん。助かっちゃった」

「いいさ。……ただ、これからは外食ばかりじゃなくて、ちゃんと自炊もするんだぞ。お前、すぐに無理をして体調を崩すからな」

「うん、頑張るけど……」

 私が自信なさげに笑うと、凌さんはふと思いついたように、私の部屋の合鍵がついたキーホルダーを指先で弄んだ。

「折角隣に住んでるんだ、仕事の合間に時間が取れたら、夕飯を作りに入ってやってもいい。これを持っていれば、お前が帰宅する前に準備もできるしな」

「えっ、それは悪いよ! お兄ちゃん、お仕事ですごく忙しいのに……」

 恐縮して首を振る私に、凌さんは瞳を僅かに細め、穏やかな声音のまま言った。

 なのに、なぜか「駄目」とは言えない空気だった。

「悪いことなんてないさ。お前に作ることで、俺もちゃんとした食事をとる理由ができる。一人だと、どうしても不摂生になりがちだからな。……お前の健康管理は、俺にとってもメリットがあるんだよ」

「……お兄ちゃんがそう言うなら。じゃあ、甘えちゃおうかな」

 私が無邪気に頷くと、凌さんの唇が満足げに弧を描いた。

「ああ、遠慮しなくていい。俺が食べさせたいんだ。……お前の体を、ちゃんとしたもので満たしてやりたいからな」

 凌さんの優しさが照れくさくて、私は眼鏡のブリッジを上げるふりをして目を逸らした。

 ふと、私は気になったことを口にする。

「お兄ちゃん、いつの間に料理が得意になったの? 昔はそんな素振りなかったのに」

(もしかして、彼女さんとかがきっかけだったりするのかな)

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001話
   ※ ※ ※ ※ ※  大学入学と同時に始まった、新しい生活。  両親が「女の子の一人暮らしは危ないから」と用意してくれたのは、凌さんのマンションの隣室だった。  凌さんは、お母さんの友人の息子さんだ。  十二歳年上で、私は幼い頃から実の兄みたいに慕っていた。  凌さんには私の部屋の合鍵を渡していた。それほど安心しきっていた。  それなのに、今、私は――……。 「あ゙っ゙、ゔぁあっ、らめっ、らめっ、うぁ、あぅっ」  激しく揺れる視界の中で、私は必死に目の前の現実を拒もうとしていた。けれど、私の腰を掴んで離さない凌さんの大きな手は、容赦というものを知らない。  真新しい家具の木の香りが漂っていた清潔な1ⅬⅮKは、今や凌さんの放つ抗いがたい雄の香りに支配され、酷く淫らに濁りきっていた。 「……っ、や゙、やめ゙でっ、おにいちゃっ」  泣きながら縋る私の言葉など、今の凌さんには届かない。  三十二歳の男の顔をした彼は、冷ややかな、けれど独占欲に満ちた瞳で私を見下ろしている。 「お兄ちゃん? ……そんなふうに思っていたのは、お前だけだ」  低く響く声とともに、凌さんの膝に跨らされた私の最奥へ、逃げ場のない衝撃が突き立てられた。 「ひ、あぁっ!! ぁ、あ……ッ!!」  完全に膣(なか)を埋め尽くす、暴力的なまでの質量。 「――俺は、お前を一度も妹だと思ったことはない」  ※ ※ ※    ――大学入学前。  新しい家電、ベッド、ソファー、ピンクの花柄のカーテン。  思いっきり息を吸い込むと、新築の匂い。  このマンションの五階の奥が今日から私のお城。  引っ越し業者が立ち去り、段ボールが山積みになった広めのリビングで私は両手を上げて、ぐ~っと背伸びをした。  早朝に実家から新住居まで遠距離を車に座りっぱなしだったから、体がバキバキする。 (って、運転したのは私じゃないんだけどね)  不意に、ガチャリと鍵が開く音がした。  振り返った先、玄関に立っていたのは凌さんだった。  ラフなシャツとズボンという寛いだ格好。けれど、その薄い生地越しでも、日頃から鍛えられていることが分かる厚い胸板や、逞しい肩のラインが浮き出ている。  三十二歳。学生時代に司法試験を合格し、二十七歳という若さで自らの法律事務所を立ち
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002話
 声には出さなかったけど、そんな考えが頭を過った。凌さんは三十二歳。格好良くて仕事もできるんだから、料理を教わりたくなるような……ううん、作ってあげたくなるような素敵な女性が周りにいてもおかしくない。お兄ちゃんが高校生時代、彼の隣には可愛い女の子が常にいたことを私はぼんやりと思い出す。  ――けれど、すぐに首を振ってその想像を打ち消した。お兄ちゃんの彼女に対して、私が妬きもちを焼くなんてお門違いだ。 「作れた方が色々と便利だろ? 特にお前に作ってあげられるしな」  凌さんはにっこりと笑うと、私の髪を大きな手でくしゃくしゃっと掻き乱した。 「お兄ちゃんに、料理ならっちゃおうかな」  なんて笑って、凌さんの大きな手を受け入れる。髪を撫でる掌の熱さが、なんだか心地良かった。 「そうだ。お前にあげたいものがあるんだ」  思い出したかのようにそう言って、一度隣の部屋に戻った凌さんは、すぐに何か大きなものを抱えて戻ってきた。 「はい、これ。引っ越し祝い」  差し出されたのは、私の両手でも抱えきれないほど大きな、淡いベージュ色のクマのぬいぐるみだった。ふわふわの毛並みで、抱きつくと新築の匂いに混じって、凌さんのつけている清潔な香水が微かにした。 「わあ、可愛い……! ありがとう、お兄ちゃん!」  思わず顔を埋めて喜ぶ私を見て、凌さんは満足そうに目を細める。 「暫くは一人で寂しいだろうから、一緒に寝たらいい」 「うん、そうする! じゃあ、ベッドの横に特等席を作らなきゃね」  私が無邪気に笑いながら、ぬいぐるみを抱えてベッドの方へ向かうと、背後から凌さんに呼び止められた。 「寝る時も、起きた時も、常にそいつがお前を見守ってるからな」  眼鏡をかけ直して、クマのぬいぐるみの顔を覗き込んだ。つぶらな瞳に見つめられ、なぜか少しだけ胸が高鳴るのを感じていた。  凌さんが「お前を見守ってる」と言ってくれているように感じて。 「……大切にするね、お兄ちゃん」 「ああ。大切にしろよ」  優しいお兄ちゃんがくれた、大き過ぎるぬいぐるみ。  私は、もう一度、ぬいぐるみを愛おしく抱き締めたのだった。 ※ ※ ※    大学の講義初日。私は昨日までの自分を脱ぎ捨てるように、鏡の前で入念に準備を整えた。  高校まではずっと眼鏡に三つ編みだったけれど、今日か
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003話
 ふと思いついて提案すると、健くんは「えっ!?」と声を裏返させた。 「き、君の家で……?」 「うん。いつもファミレスばかりだと、お金も勿体ないなぁって。健くん、嫌だった……?」  顔を真っ赤にして狼狽える彼を不思議に思って、首を傾げて下から覗き込む。  健くんは、至近距離になった私の顔にさらに慌てた様子で、「い、嫌なわけないよ! 君の家で勉強しよう」と、壊れた玩具のようにコクコクと激しく頷いた。  そんな彼の反応が可笑しくて、私はくすくすと笑い声を漏らす。  健くんと一緒にいる時間は、穏やかで、優しくて、心地いい。 健くんは、私の歩幅に合わせてゆっくり歩いてくれる。背伸びをしなくても届く、温かくて等身大な恋。それは私が夢見ていた、絵に描いたような「女子大生の日常」そのものだった。  けれど、一人になって玄関の鍵を閉めた瞬間、私はふと凌さんのことを思い浮かべる。  隣の部屋の明かりは、今日も消えたままだ。個人事務所を構える弁護士である彼は、今、大きな案件を抱えているらしく、引っ越しの日から今日まで、顔を合わせることさえできていない。  それでも、自分の部屋の冷蔵庫を開ければ、そこには必ず彼の気配が残っている。 「……あ、今日は肉じゃがだ」  保存容器に整然と並べられた、見慣れた手料理。仕事で忙しいはずなのに、彼は合鍵を使って私の部屋に入り、私が帰る前にこれを用意してくれているのだ。  申し訳なさもあるけれど、それ以上に「守られている」という嬉しさが勝ってしまう。一口食べれば、お兄ちゃんの優しさが体の芯まで溶け出していくようだった。 (お兄ちゃんに、健くんのこと、言わなきゃ……)  大切な報告。  でも、あんなに忙しそうな彼に電話で済ませるのは、なんだか嫌だった。  久し振りに顔を合わせられた時に、直接、目を見て伝えたい。  その夜、私はベッドの中で、凌さんから貰った大きなクマのぬいぐるみをぎゅっと抱き締めた。  凌さんの香水の匂いが残る毛並みに顔を埋める。 (お兄ちゃん、驚くかな……。なんて言ってくれるかな……)  健くんという「恋人」がいるのに、眠りにつく直前まで考えているのは、お兄ちゃんのことばかり。  私は凌さんの香りに包まれて、深い眠りに落ちていった。 ※ ※ ※    久し振りに凌さんの姿を捉えたのは、初夏
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004話
 入口のすぐ近くにある内側のでっぱりを指で強く押され、私は堪らず男の胸に顔を埋めた。その瞬間、お兄ちゃんと同じ、あの清潔で上品な香水の香りが鼻先を掠め、私は無意識にそれを思いきり吸い込んでしまう。 脳がお兄ちゃんだと勘違いしたかのように麻痺し、そこからは堰を切ったように蜜が濡れてくる。(イっちゃう……っ、でも、絶対にイクもんか……!) 見知らぬ男の手で汚される悔しさに必死で堪えるけれど、その拒絶を見透かしたかのようなタイミングで、クリトリスをきゅっと指先で摘ままれ、同時に内側のでっぱり――Gスポットを強く押し込まれた。「ん、……っ!!」 堪えきれず、私は一瞬でイってしまった。男の分厚い胸筋に顔を埋めた状態で、躰がガクガクと小刻みに震える。声を漏らさないよう、痛いほど唇を噛み締めて耐えた。 けれど、休む間もなく、熱くて硬い、ぐっしょりと濡れたものが足の間に滑り込んできた。下着を隔てているというのに、恐ろしいほどの熱量が肌に伝わってくる。それがなんなのか、混乱した私の頭ではもう分からない。 ロングスカートの内側だけが、別の空間みたいだった。男は乗客の目の前で、ズボンの前を寛げ、剥き出しにしているのだ。 男はその熱い何かを、私の薄い下着を隔てた割目の正面にピタリと嵌め込んだ。そして、電車の小刻みな揺れに合わせて、その大きな塊を割目にゴリゴリと擦りつけてくる。 男は私の両尻をガッチリと掴んでもみくちゃにしながら、有無を言わせない力で腰をガツガツと押し付けてくる。電車の小刻みな揺れに合わせて、下着越しに擦りつけられる生身の熱い隆起は、私を壁へと縫い付けていた。 私の背中は冷たい壁、前からは男の質量。どこにも逃げ場はなかった。 正面から生身の熱が押しつけられるたび、脳は知らない男だと叫んでいるのに、躰は鼻先を満たす匂いだけで「お兄ちゃんに守られている」と錯覚し、壁に押しつけられたまま緊張を解いてしまう。「っ……!」 あろうことか、私は壁に背中を張り付けられたまま、見知らぬ男の腕の中で、お兄ちゃんへの安心感に抱かれながらまたも卑しくも絶頂を迎えてしまった。 私が快感の波に呑まれ、男の胸の中でぐったりと躰を震わせた、その瞬間だった。 男の体が獣のように一度、大きく強張る。 お尻を掴んでいた男の手が、強引に私のショーツのゴムを引き下げ、隙間から自身の
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005話
 凌さんの声はどこまでも優しく、どこまでも甘い。  私は凌さんの腕の中で、安心しきって目を閉じた。    ※ ※ ※ 痴漢に遭った日から、三日経った。  あの日、パニックになって泣きじゃくる私を、凌さんはずっと傍で支えてくれた。仕事が溜まっているはずなのに、私が眠りにつくまで、何度も背中を優しく撫でてくれたのだ。本当に申し訳ないことをしてしまった。 『案件が少し片付いたから大丈夫だ』  あの日、顔色が悪いのにそう言って私を優先してくれた凌さん。その優しさに、私はどれほど救われただろう。 (お兄ちゃんには、感謝してもし足りないや)  そう思いながら、私が玄関を開けると、それと全く同じタイミングで、隣の部屋のドアが開いて凌さんが出てきた。 「あ、お兄ちゃん、おはよう」  見上げる凌さんの顔を見て、私はホッと胸を撫で下ろした。三日前と違って、今日の凌さんはすっかり顔色が良い。 「案件が、今日で片付きそうなんだ」  そう言う凌さんの声は、どこか少し弾んでいるように聞こえた。そっか、本当によかった。お兄ちゃん、本当にお疲れ様。そう私が素直に喜ぶと、凌さんは静かに距離を詰めて、真っ直ぐに私を見つめた。 「なぁ。明日、一緒に出掛けないか? 久しぶりに、二人で夕食にでもどうだ」  向けられたのは、射抜くような真剣な眼差し。  いつもと違う気配を湛えた凌さんの瞳に、私は一瞬、胸がドキンと大きく跳ね上がるのを感じてしまった。けれど、明日は――。 「……ごめんね、お兄ちゃん。明日は、予定があるの」 「そうか。急だもんな」  凌さんは分かりやすく肩を落とし、明らかに落ち込んだ様子を見せる。そんな凌さんの姿に、私は胸を痛めた。いつも私を最優先にしてくれる凌さんを、こんなふうにガッカリさせてしまうなんて。  ――でも、ふと思った。  凌さんの案件も片付いて、顔色も良くなった今こそ、ちゃんと話すチャンスなのではないか、と。 「あのね、お兄ちゃん! 明日の予定っていうのはね!」 「うん?」  言い淀んだ私を急かすこともせず、凌さんはいつものように優しく微笑んで、私の言葉を待ってくれる。私は意を決して、胸の前でぎゅっと拳を握り締めた。 「わたし、彼氏ができたのっ!」  ――その瞬間、凌さんの表情が一瞬だけ固まった。  私はその変化を戸惑いだと解
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006話
 私はドアを開けながら、思わず凌さんの背中に視線を送っていた。  ドアが閉まった瞬間、健くんが「ふぅ」と大きく息を吐き出す。 「凌さん、すごく格好いいね。優しそうだし、なんだか圧倒されちゃった」 「ふふ、でしょ? 自慢のお兄ちゃんなんだから」  大好きな凌さんのことを褒められて、私は嬉しくてくすくすと笑った。 ※   私の部屋。  ベッドの上には、引っ越し祝いに凌さんからもらった大きなクマのぬいぐるみが、壁に背中を預けるようにしてちょこんと座っている。  私と健くんは勉強はそっちのけで、ベッドに並んで腰掛け、私の高校の卒業アルバムを開いた。 「うわ、この頃の君もすっごく可愛い。今より少し幼いね」 「やだ、やめてよ。全然垢抜けてないもん」  三つ編みと眼鏡、化粧っ気がない顔。  それを「可愛い」と言われて、顔を赤くしたままページを捲った。  体育祭、文化祭、修学旅行の写真を二人で見ながら、会話をする――不意に、会話が途切れた。  至近距離で見つめ合ってしまい、鼓動がうるさく跳ね上がる。健くんの手が私の頬に触れ、そのまま、優しく唇が重ねられた。  お互いに肩を震わせながらの、拙くて、甘いキス。 「……いい、かな……?」  健くんの潤んだ瞳が、私に問いかける。 「わ、私……初めてなの」 「ぼくも……。だから、優しくするから」  お互いのウブな告白に、私たちは小さく笑い合った。  緊張で震える手で、ゆっくりと服を脱がせ合う。  健くんの手が私の胸を包み込んだ。けれど、緊張しているせいか、その力は思ったよりもずっと強くて、少し指が食い込む。痛い、と言えずに身を固くしていると、今度は先端を指先でなぞられた。少し擽ったくて、やっぱりちょっと痛い。  けれど、健くんが一生懸命にそこを舌で舐めはじめると、熱が躰に回り、少しずつ、じんわりとした気持ちよさに変わっていった。 「いい?」  健くんの声に、私は小さく頷いた。  彼は不器用な手つきで、何度も手元を狂わせながら、どうにかコンドームを装着する。  そして、ゆっくりと私の中に、彼自身を押し進めてきた。 「……っ、痛い……っ」  初めて知る、躰を引き裂かれるような痛み。  けれど、目の前で愛おしそうに私を見つめる健くんのために、私は必死に痛みを堪えて彼を受け入れた。  奥
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007話
「な、なに――」  言葉を遮られた。凌さんが私のオーバーサイズシャツの裾を力ずくで引っ張り上げる。抵抗する間もなく、シャツを巻き込まれる形で私の両腕は頭の上へと押し上げられ、身動きを封じられた。そのままベッドへと乱暴に押し倒される。 「お、おにいちゃ、なっ、ひっ……!」  ブラジャーの下から、溢れた両胸を鷲掴みにされた。  ぐにゅぐにゅと、骨ばった大きな掌で揉みしだかれる。健くんの不器用な手付きとは違う、肉を圧壊するような強烈な力。 「やめて、お願い、やめて……っ!」  涙ながらに懇願しても、凌さんの愛撫は止まらない。脚を動かして逃げようとしても、私の両脚の間には既に凌さんの屈強な体が割り込んでいて、バタバタと暴れたところでびくともしなかった。  凌さんの指先が、私の乳首に触れる。指の腹の、少しざらついた皮膚で執拗に擦られ、私の意思とは裏腹に、先端がツンと硬く立ち上がっていく。 「ど、どうして……やだっ……!」  ビクン、と躰が跳ねた。  凌さんは、その硬くなった先端を、まるで玩具でも弄るように指先で何度もパチン、パチンと弾いた。鋭い刺激に脳が痺れる。さらには、指の腹でぐりぐりと押し潰すように、肉を抉ってきた。 (どうして……っ? どうして、私が自分でオナニーをする時に気持ちいい場所を、お兄ちゃんは知ってるの……?) 「これ、好きなんだろ?」 「すきじゃない……っ! あぁっ……!」  嘘を咎めるように、右の乳首を深く吸い上げられた。同時に、もう片方は指で弾かれる。何度も何度も繰り返される。自分の力とは比べ物にならない圧倒的な指の力に、ツンと尖った乳首はみるみる赤く腫れ上がっていく。 「嘘つきだな」  凌さんは口元を濡らしたまま、酷く艶然と笑った。 「お前のいいところ、俺は全部知ってるんだよ」  そのまま、ショーツを強引に引き摺り下ろされ、無防備な秘部を晒される。 「可哀想に。赤くなっているじゃないか」  凌さんは、私の秘部を見つめながら、冷ややかにそう呟いた。 「大した前戯もなく、無理に突っ込まれたんだろ? ――俺が、本当の気持ちよさで慰めてやる」 「ひあ……っ!?」  直後、凌さんの大きな口が私の陰部を覆った。食べられる、そう思った。  厚い舌が、私の秘部へと押し当てられる。  表面ではなくて、凌さんの舌は、ぴっ
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008話
 凌さんは満足げにふっと口元を歪めると、ベルトに手をかけ、静かに自身の前を寛げて性器を取り出した。 (うそ……何、これ……っ)  健くんのものとは、造形も、色も、大きさも、何もかもが違い過ぎる。それは、恐ろしい狂気そのものだった。  どろりと濡れた先端が、私の秘部へと押し当てられる。 「いや、やめて、お兄ちゃん……っ!!」  必死に腰を揺らして抵抗した。けれど、そんな子供騙しの抵抗など嘲笑うように、凌さんは一気に、その凶悪な熱さで私を最奥まで貫いた。 「――っ、ひ、あぁっ……!!」  健くんの時より、遥かに深い。  さっき、健くんとのセックスで「ここが奥」だと思っていた、更にその先。  あれ以上の奥があるのだと、私は知った。  それを一突きで暴かれ、あまりの衝撃に、私は挿れられた瞬間だけで、躰を弓なりに反らして絶頂を迎えてしまった。 「……ふ。挿れただけで、イったな♡」  凌さんは愉悦に歪んだ瞳で、私を見下ろす。 「ちが、イってなっ」 「健じゃ、満足しなかっただろ?」 「ちがう、違うの……っ、ぁ、あぁっ!」  私は違うと首を振って、泣いて、泣いて、啼いて、泣き叫ぶ。  凌さんは私の腰を掴むと、力ずくで躰の上に私を引き上げ、向かい合わせの体勢へと組み替えた。  重力に従って、凌さんのそれが更に深く、底の底まで沈み込んでいく。 「あ、ぐ、ぅう……っ! ふか、いっ……!」  健くんの時には存在すら知らなかった最奥を、凌さんの熱が容赦なく、果てしなく押し広げていく。  凌さんの動きは止まらない。私の腰をガッチリと固定したまま、激しく、猛烈な勢いで突き上げてくる。私はただ「おねがい、やめて」と子供のように泣くことしかできなかった。  視界は涙でぐちゃぐちゃに歪み、顔中が涙と鼻水で酷く汚れていくのが自分でも分かる。女の子として、これ以上ないほど惨めで、見苦しい姿のはずだった。  なのに、凌さんはそんな汚い顔をした私を愛おしそうに見つめ、強引に唇を塞いできた。 「んんっ……!? ん、ぅうっ!」  健くんとの、あの初々しくて拙いキスとは何もかもが違う。  息ができないほど口内を貪り、私の全てを強奪していく大人のキス。深く、深く舌を絡められながら、凌さんの激しい上下の動きに揺さぶられ、私は自分の舌を噛んで
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009話
 ※ ※ ※ あの夜から、凌さんとは一度も顔を合わせていない。  凌さんが忙しいのか、それとも私が避けられているのか……それすら分からないまま、私はただ自室のベッドの上で呆然と日々を過ごしていた。  気付けば、私はベッドの上で凌さんからプレゼントされたあの大きなクマのぬいぐるみを抱き締め、そのフカフカの毛並みに顔を埋めていた。  鼻先を掠めるのは、あの清潔で上品な、大好きな香水の香り。  ドクン、と下腹部が切なく疼く。  ――無意識だった。私の手が、自分の胸へと伸びていた。 「んぁ……っ」  服の上から自分の胸を揉みながら、小さな喘ぎ声が漏れる。指先で乳首をパチンと弾きながら、たまらなくなって太もも同士をぎゅっと擦り合わせた。指の腹で、硬くなった先端をぐりぐりと押し潰す。 「違う――っ」  ハッと息を呑んで、自分の口から出た言葉に戦慄した。何も違わない。何を言っているの、私。  やめよう、こんなことしちゃダメだ。そう思うのに、私の意思とは関係なく右手は吸い寄せられるように股間へと伸びていく。  ショーツの下に熱い手を忍ばせ、クリトリスを人差し指で円を描くように弄って、爪先で弾く。いつも通りの、自分がしてきたはずの触り方。でも、頭の隅で「何かが違う」と拒絶する私がいる。  凌さんの香水を、ぬいぐるみの毛並みから深く、深く吸い込んだ。その瞬間、私の意思とは裏腹に、お尻が無意識のうちにキュッと上へと持ち上がってしまう。  クマのぬいぐるみにお顔を強く押し付けたまま、腰を浮かせる。 (違う、私は、こんなことしたくない……っ!)  でも、この体勢は、これじゃあまるで――重い何かを、待っているみたいじゃない。 『そんなふうに思っていたのは、お前だけだ』  凌さんの言葉が頭の中に浮かんだ。  あの言葉の意味を、私は分かり兼ねている。 『――俺は、お前を一度も妹だと思ったことはない』  じゃあ、お兄ちゃんは今まで私をどう思っていたの?  私の膣を埋めた凶暴な狂気。 『男』の顔をして、瞳に映った独占欲――私がほしいって言ってるみたいだった。 (そんなはずないっ)  お兄ちゃんが私に欲情する理由なんてない。  ただ、私に彼氏ができたことが気に喰わなかっただけで……。 (そんな理由で、私を襲うなんて最低)  
last updateÚltima actualización : 2026-10-04
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010話
「ど、どうして……っ? どうしてなの、おにいちゃっ……!」 「静かにしろ。大声を出すと、健に全てバレるぞ」  耳元で凌さんが囁く。  凌さんは背後から私のロングスカートの裾を乱暴に捲り上げると、あの電車の時と全く同じように、私の脚の間に、前を寛げた自身の生身を割り込ませてきた。下着一枚を隔てて、熱量が肌に突き当たる。 「気のせいか? 随分と、最初から濡れているな?」 「濡れて、なっ……!」  さっきまでベッドの上で凌さんの匂いを嗅いでオナニーをしていたなんて、絶対に認められない。 「やめて、お願いだから、やめてっ……!」 「お前の好きなように、動いてやるよ」  恋人に囁くような優しい言い方。けれど、与えられる圧は少しも優しくない。  薄いショーツを隔てて、割目を熱い塊がゴリゴリと激しく擦れる。クリトリスに、凌さんの亀頭が擦りつけられ、快感が脳を焼き切りそうになった。その時――。 「――あ、ごめん! ちょっとトイレ貸してー!」  すぐ近くの寝室から、健くんの無邪気な声が響いた。 「っ!?」  全身の血の気が引く。心臓が爆発しそうなほどの恐怖のなか、凌さんに押し潰されながら、必死に声を振り絞った。 「う、うん、どうぞ……っ!」  平静を装う私の声。  凌さんはまだ膣には挿れていないというのに、健くんがすぐそこにいる恐怖と背徳感の中で、電車の揺れのように激しく腰をピストンさせてくる。擦り付けられるだけの摩擦なのに、あまりの快感に、まるで本当に奥まで入れられているような錯覚に陥っていく。 「ん、あ、あぅ……っ!」  狂ってしまいそうな声が出そうになった瞬間、凌さんの骨ばった大きな手が、後ろから私の口を塞いできた。 「ぐっ、むぅ……っ!?」  声を奪われたまま、背後の壁――ううん、凌さんの屈強な肉体に縫い止められ、ただただ擦り付けられる衝撃に身を委ねる。  健くんがすぐ隣のトイレに入ったその瞬間、凌さんの躰が獣のように強張った。  凌さんの剥き出しの熱がドクドクと脈打ち、限界を迎える。 凌さんは私のロングスカートの裾を捲り上げたまま、空いた手で私のショーツのクロッチを後ろからぐいっと指で引っ張った。 ゴムが伸びて、私の秘部とショーツの間に、ぽっかりと隙間が作られる。 凌さんはその隙間を狙うようにして、
last updateÚltima actualización : 2026-10-04
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