さらに世代的に刺さるのは'エルフェンリート'の『Lilium』だ。宗教的な合唱とラテン語めいたフレーズが、救いのない祈りのように聞こえる。言葉数は少なくても、繰り返される旋律が虚無の深さを示している。最後に挙げるとすれば、'ドメスティックな彼女'の主題歌『kawaki wo ameku』も忘れられない。渇望と欠落をストレートに歌い上げる詞が、満たされない感情を露わにしている。どの曲も直接的に「虚しい」と表現していなくても、言葉選びや音の余白が余計な感情を奪い去り、聴き手に静かな空虚を残す。私はこうした楽曲が持つ余韻に惹かれる一方で、時にそれが心をぐっと抉ることを知っている。
英語圏では『The Criterion Collection』のエッセイや『Film Comment』、そして『Sight & Sound』の長めの考察が非常に頼りになる。複雑で虚無感のある結末を扱うとき、これらは単なるあらすじ解説に留まらず、モチーフや編集、音響といった映画的要素が結末にもたらす効果まで分析してくれる。具体例を挙げると、'No Country for Old Men' の終わり方を巡る論考は、複数の視点(原作との比較、コーエン兄弟の語法、アメリカ西部観)を交えた読み応えあるものが揃っている。