ふと考えてみると、この短いフレーズには翻訳者泣かせのニュアンスが詰まっている。直訳すると"Sorry for being cute"や"Sorry I'm so cute"になるけれど、日本語の「かわいくてごめん」は単なる謝罪以上に、照れ隠しや自虐、あるいは軽い自慢心が混ざったトーンを持っている。場面やキャラ性格によって受け取り方がガラッと変わるので、英語ではどの側面を強調するかを最初に決める必要がある。私自身は、文脈を見て三つの軸で訳語を選ぶようにしている:率直さ(謝る形を残す)、皮肉(謝りつつ自慢する)、柔らかさ(相手を和ませる表現)。
具体的には、カジュアルで軽い自虐や照れの場合は"Sorry, I'm cute"や"Sorry—I know I'm cute"が使いやすい。どこか自信満々で軽く挑発するニュアンスを出したければ"Too cute, sorry not sorry"や"Can't help being cute"といった遊び心のある訳が効く。相手に迷惑をかけたかもしれないという丁寧なニュアンスを残したいなら"Sorry if my cuteness bothers you"や"Excuse my cuteness"が自然に聞こえる。作品の台詞なら、声や状況を考慮して敬語に寄せるかスラング寄りにするかを決めるとよい。例えば、少女マンガ風の甘い場面では柔らかい表現を、ギャグっぽい場面では突き抜けた自慢表現を選ぶことが多い。
表題の英語化について触れると、訳者はそのタイトルを 'Sorry for Being Cute' としています。直訳に近い選択で、語感が日本語の軽い謝罪と自己肯定の混ざったニュアンスをうまく英語に移していると思います。
翻訳では語順や助詞のニュアンスをどう処理するかで印象が変わることが多いのですが、この英題は元の短さとリズムを保ちつつ、英語圏の読者にも意味がすぐ伝わるのが利点です。僕は他作品の英題、たとえば 'Kimi ni Todoke' が 'From Me to You' と訳されたケースを思い出して、タイトル一つで受け手の期待がかなり変わることを実感しました。