雪乃の新しい道親友の桐山彩(きりやま あや)の結婚式で、ブーケが私・白河雪乃(しらかわ ゆきの)の手に飛び込んできた。
彩がにやにやしながら近づいてきた。
「霧島誠(きりしま まこと)を付き添いに呼ぶの、どれだけ大変だったか知ってる?
七年間ずっと片想いしてたんだから、そのブーケ持って告白してよ!」
私はブーケを抱えたまま、呆然として固まった。
彩は知らない。私と誠は、もうすでに一年間こっそり付き合っていたことを。
片想いがついに実ったと思っていた。苦労の末に手に入れた幸せだと。
でも、彼に別れを突きつけて家から来た見合いの申し出を断らせようとしたあの日。
彼は気だるげに笑って、ひとつも気にした様子もなく言った。
「雪乃、七年も俺に片想いしてたくせに、本当に俺から離れられるのか?」
我に返った瞬間、誠が真っすぐ歩いてきて、私の腕からブーケを抜き取り、隣にいた先輩に何気なく手渡した。
固まった私の顔を見て、眉を上げながら、確信と侮蔑が混じった目で言った。
「雪乃、やっぱりそうだろ。お前は俺から離れられない」