変わらぬふり紗月と輝也は、十一年という長い歳月を共に歩んできた。
彼女は、このまま彼と生涯を添い遂げるのだと信じていた。
しかし輝也は、浮気した。
三年も前から、紗月とかなり似た面影を持つ、若くて瑞々しい別の女性と関係を続けていたのだ。
「これ以上悪いことはない」と、紗月が思ったその時。
息子の拓海が、「あなたは僕たち家族の幸せを邪魔してる」と言い放ち、絶縁状を彼女の目の前に差し出した。
心臓が踏みにじられるように痛かった紗月は、離婚届に署名した。
そして、二度とあの父子と関わらないことを心に誓った。