私の気持ちを分かってほしい生まれ変わって「妻選びの会」の会場に戻った裕美が最初にしたのは、腹違いの妹と自分の番号札をすり替えることだ。
前世で、拓真は裕美と結婚したが、彼女は孤独の中に命を落とした。
死の間際になってようやく、拓真が愛していたのは妹の芳子であって、自分ではないと知った。
今世では、拓真が芳子を象徴するバラの花束を手に取った瞬間、その目に喜びがあふれた。
彼は深い愛情を込めて芳子の手を取り、一生を添い遂げると誓った。
そして裕美の方を向いたとき、その表情は一瞬で冷たくなり、警告するような口調で言った。
「お前のことはずっと妹だと思っている。芳子の身代わりになろうとするな」
その冷たい言葉は裕美の胸を刺し、周囲の噂と嘲りが彼女を包み込んでいった。しかし今度こそ、裕美は彼に愛を乞うようなことはしない。
彼女は二人の幸せを願い、父が自分のために決めた縁談を受け入れ、二度と戻ることはない。