虚々実々

過ぎ去った日々
過ぎ去った日々
松原家当主である松原氷雨(まつはら ひさめ)が事故で障害を負った後、結婚相手を公募していた。それは都の社交界で話題になった。 私の父である蘇我昭二(そが しょうじ)はすぐに私の情報をアップロードした。 「本当に真木さんと別れたいなら、松原家に入れるか試してみろ」 私は断固として反対し、スマホを奪おうとしたとき、彼に強くビンタされた。 「この件はお前が決められることではない」 行き詰まった私は、神原真木(かんばら まき)に助けを求めるしかない。彼だけが昭二の考えを変えられるから。 しかし、偶然にも私は彼らの会話を聞いてしまった。 「真木さん、ご心配なく。松原はただの障害者だ。詩葉(うたは)は高慢だから、絶対に彼を気に入らないはず。彼女はもうすぐ泣きながら、復縁を求めに来るさ」 真木は軽く笑った。 「瑠々(るる)は子供が欲しいだけだ。俺はただ助っ人として、彼女と何回寝ただけ。詩葉がこの程度のことで拗ねてるなんて。でも、やはりおじさんってやり手だな」 私は全身の血液が凍りついたように感じ、奈落の穴に落ちたような気分だ。 実は、私はずっと彼らに騙されていて、後ろ盾もない。 そして、松原家が本当に私を選んだとき、彼らは慌てた。
8 Chapters
代々平安
代々平安
前世で末期がんを患っていた私は思いがけず宝くじに当選した。 しかし母は治療を諦め、賞金を弟の結婚資金として残すよう勧めてきた。 死ぬ前に他人のために尽くすのは嫌だったので、両親に内緒で全額を孤児院に寄付した。 それを知った両親は激怒し、私を親疎の違いもわからない恩知らずだと言った。 彼らは私と絶縁をした後、私を病院に置き去りにして見放した。 弟の誕生日、家族は幸せに一緒にいる中、私は病院でたった一人、息を引き取った。 目を開けると、宝くじに当選した日に戻っていた。前世の出来事を思い出し、早めに両親から離れようと決意した。 しかし家に帰ると、両親は別人のように変わり、私を宝物のように大切にし、親切にしてきた。
11 Chapters
声々の想い
声々の想い
私はヤクザの親分・荒川正幸(あらがわ まさゆき)に十年も付き従ってきた。だが、彼が足を洗ったその日、舎弟たちが別人を「姐さん」と呼んでいた。 銃を握り、血を浴びたその手が、少女にズック靴を履かせている。 「矢崎琴乃(やざき ことの)、あの子はお前とは違う」 「お前は名分なくても俺と道を外せるが、あの子は無理だ」 あの日、私は振り返らなかった。 正幸は知らない。私が道を外したことを家族は承知で、ちゃんとした男を育てておき、名分を待たせていたことを。
11 Chapters
歳々安らかに
歳々安らかに
「お姉ちゃん、本当にいいの?死んだことにしちゃったら、一平さんは絶対にお姉ちゃんを見つけられなくなるよ……」 斎藤梨央(さいとう りお)は目を伏せ、小さな声で言った。 「うん。もう戻れないから。できるだけ早くお願い」 「……わかった。でも、早くても半月はかかるよ」 梨央の妹・斎藤利香(さいとう りか)は、悲しそうに姉の手を握りしめた。 「一平さん、あんなにお姉ちゃんのこと好きだったのに……どうしてこんなことに……」 梨央は自嘲するように薄笑った。 ――そうだね。あんなに私を大事にしてくれた人が、どうして…… 彼女と三条一平(さんじょう いっぺい)は幼い頃からの幼なじみだった。 ずっと一緒に過ごし、周りの誰もが、彼がいつか彼女を娶るものと思っていた。だが……
27 Chapters
思いだけが留まる
思いだけが留まる
結婚して五年目、夏目遥(なつめ はるか)は住民票の再発行に向かった。 しかし告げられたのは、その住民票が偽物であり、夫・片平類(かたひら るい)の正式な妻は別に存在するという残酷な事実だった。 五年間、深く愛し合ってきたと思っていた日々は、すべて偽りだったのだ。 帰宅後、遥は類と弁護士の会話を耳にする。 「もう少し待ってくれ。里帆はまだ海外で頑張っている。片平奥様の肩書きがあれば、ビジネス界で足場を築ける」 「遥のことなら心配いらない。あいつは俺を深く愛しているし、俺のために夏目家とも絶縁した。もう後戻りできないんだ」 その言葉に、遥の心は完全に崩れた。 そして類が本物の住民票を手にしたときには、遥はすでに遠くへと姿を消し、二度と彼の前に現れることはなかった。
26 Chapters
あなたは南へ、私は北へ
あなたは南へ、私は北へ
千葉夕子(ちば ゆうこ)には、鹿野景祐(しかの けいすけ)を何回許したかを記録するノートがある。 半年前、景祐は夕子の誕生日に、彼女を置き去りにして白石遥(しらいし はるか)に会いに行った。夕子が彼を許したのは今回93回目だ。 三ヶ月前、遥の「猫アレルギーがある」の一言だけで、景祐は夕子が長年飼っていた猫を他人に譲った。夕子は94回目の許しを彼に与えた。 一ヶ月前、景祐は酔っ払って、遥と一緒のベッドで目を覚ましたにもかかわらず、「何も起こらなかった」と言い張り、逆に夕子の心が汚いからそんなことが思いつくと言い放った。これで夕子が彼を許すのは95回目となった。
29 Chapters

虚々実々が登場する有名な小説や映画は?

3 Answers2026-03-18 10:13:03

虚々実々という戦術は、三国志の物語で特に目立つテーマだね。諸葛亮が善用した空城の計や、司馬懿との駆け引きは、まさにこの概念の極致を描いている。

『三国志演義』では、戦場での心理戦が生き生きと再現されていて、敵を欺きながら自軍の弱点を隠す様子が緊迫感たっぷりに語られる。特に赤壁の戦い前夜の情報工作は、虚実を使い分ける妙味が詰まっている。現代のビジネス書でも引用されるほど、この時代の策略は普遍的な魅力があるんだ。

虚々実々の使い方を例文で知りたいです

3 Answers2026-03-18 17:34:54

この言葉、『虚々実々』って本当に使いどころが難しいんですよね。特に会話の中で自然に使おうとすると、ちょっと考え込んでしまうことがあります。

例えば、ビジネスの交渉で『この契約内容、虚々実々で進めていきましょうか。こちらの提案には多少の誇張が含まれていますが、本質的な部分はしっかり押さえていますから』なんて言うと、相手に「この人は駆け引きが上手いな」と思わせつつ、信頼感も与えられる気がします。

あるいはスポーツの試合解説で『両チームとも虚々実々の攻防が続いていますね。あのフェイントプレイは見事でしたが、守備の本質を忘れていないところが素晴らしい』なんて使うと、戦略の深さを伝えられます。言葉の持つニュアンスを活かすには、やはり状況を見極めることが大切ですね。

虚々実々の語源はどこから来ていますか?

3 Answers2026-03-18 13:07:14

この言葉の成り立ちを調べてみると、中国の兵法書『孫子』にそのルーツがあるという説が有力だ。

『孫子』の「虚実篇」では、敵の弱点(虚)を突き、自軍の強み(実)を生かす戦術が説かれている。戦場で相手の虚をつくことで勝利を得るという考え方が、後に「虚々実々」という四字熟語に発展したようだ。

面白いことに、日本の戦国時代の武将たちもこの思想を活用していた。武田信玄の「風林火山」にも通じる、状況に応じて柔軟に戦術を変える重要性を示している。現代ではビジネス戦略やスポーツの試合でも使われるようになったが、その核心は昔と変わらない。

虚々実々と似た意味の四字熟語はありますか?

3 Answers2026-03-18 03:28:40

四字熟語の世界って本当に奥が深いよね。『虚々実々』のように、駆け引きや心理戦を表現する言葉はいくつかある。例えば『縦横無尽』は、自由自在に振る舞う様子を表すけど、戦略的なニュアンスも含んでる。『千変万化』も状況が目まぐるしく変わる意味で、相手の裏をかくような場面にぴったりだ。

『竜頭蛇尾』なんかは最初は勢いがあっても最後は尻すぼみになる様子で、作戦がうまくいかない例として使える。『右往左往』も敵の動きに翻弄されるイメージで、『虚々実々』の対極的な表現として興味深い。こういう言葉を知ってると、小説やゲームの戦略シーンがもっと楽しめる気がする。

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