日本でよく見かける『しかめっつら』という表情は、英語圏では主に『scowl』と表現されます。特に眉をひそめて不機嫌そうな顔つきを指すのにピッタリですね。
『Glare』も似たニュアンスですが、どちらかと言えば怒りや威嚇の感情が前面に出ている印象。『Frown』は口元を歪める動作に焦点が当たっているので、眉の動きまで含めた『しかめっつら』全体を表現するなら『scowl』が最も近いでしょう。『The teacher scowled at the noisy students』なんて例文なら、教室で先生が顔をしかめる様子が生き生きと伝わってきます。
興味深いのは、漫画の翻訳で『しかめっつら』を『grimace』と訳すケースもあること。これは痛みや不快感からくる表情にも使える汎用性の高さが理由です。文化によって表情の解釈に微妙な差があるからこそ、文脈に合わせて単語を選ぶ必要がありますね。
クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』で、ヒース・レジャー演じるジョーカーが警察署の独房から脱出するシーンは圧巻でした。あの歪んだ笑みと不気味なしかめっつらが、狂気と計算された冷酷さを同時に表現していて、今でも忘れられません。
特に印象的だったのは、逆さにした顔で「Why so serious?」と囁きかける瞬間。通常の表情とは逆の筋肉の動きが、あえて不自然な感情を強調する効果を生んでいます。あのシーンを見た後、数日間はジョーカーの顔が頭から離れなかったほど。役者とメイク、演出が一体となった稀有な例だと思います。