私がよく使うのは、'a smile that says "I know something you don't"'という説明表現です。これなら日本語のニュアンスをほぼカバーできます。漫画の翻訳では、状況に応じて'did a little victory smile'とか'wore a triumphant expression'なんて言い回しも見かけます。大切なのは、顔の表情だけでなく、その背景にある心理状態まで伝えようとする姿勢だと気付きました。
最後に、もっと軽いニュアンスならば、'a cat that got the cream'というイディオムがあります。これは『目的を達成して満足そうな様子』を表す慣用句で、日本語の『したり顔』に近いニュアンスを出せます。例えば、'She looked like the cat that got the cream when her plan worked'という使い方です。英語は日本語ほど表情の描写が細分化されていないので、こうした慣用句で補うのが効果的ですね。
ただし、'smirk'には少しネガティブなニュアンスもあるので、文脈によっては'grin'や'sly smile'も使えます。例えば、'He gave me a sly smile when I asked about the surprise party'という感じです。日本語の『したり顔』ほどの含蓄はないものの、状況に応じて使い分けることが大切です。英語には日本語のような微妙な表情の違いを表現する単語が少ないので、形容詞を組み合わせるのがコツですね。
表題の英語化について触れると、訳者はそのタイトルを 'Sorry for Being Cute' としています。直訳に近い選択で、語感が日本語の軽い謝罪と自己肯定の混ざったニュアンスをうまく英語に移していると思います。
翻訳では語順や助詞のニュアンスをどう処理するかで印象が変わることが多いのですが、この英題は元の短さとリズムを保ちつつ、英語圏の読者にも意味がすぐ伝わるのが利点です。僕は他作品の英題、たとえば 'Kimi ni Todoke' が 'From Me to You' と訳されたケースを思い出して、タイトル一つで受け手の期待がかなり変わることを実感しました。
訳者の意図としては原題の持つ軽やかな自己主張を損なわず、かつ販促上のキャッチーさも確保する狙いがあったと考えています。個人的にはこの英題は作品の雰囲気に合っていると感じます。