音楽の世界には『抱きかかえる』というタイトルがついた作品がいくつか存在しますね。例えば、シンガーソングライターのコブクロが2005年にリリースした『抱きしめたい』という曲は、タイトルこそ違えど、『抱きかかえる』という感情に近い温かさを感じさせてくれます。また、アニメ『CLANNAD』のサウンドトラックにも、『小さな手のひら』という曲があり、これもまた抱擁のような優しさをテーマにしています。
さらに、ゲーム『NieR:Automata』のサウンドトラックには『Weight of the World』という曲があり、これは世界を抱きかかえるような重みと優しさを同時に表現しています。音楽を通じて『抱きかかえる』という行為の深さを感じ取れる作品は、意外と多いものです。
「縋り付く」という感情を表現するサウンドトラックといえば、まず『攻殻機動隊』の押井守監督作品で使われた川井憲次の楽曲が思い浮かぶ。あの重くて不気味な電子音と和楽器の融合は、まさに人間が何かにしがみつく時の不安と焦燥感を音で再現している。特に『傀儡謡』シリーズは、宗教的な雰囲気も相まって、聴いていると無意識のうちに背筋が寒くなる。
近年だと『進撃の巨人』の澤野弘之の作曲も外せない。『Call of Silence』や『YouSeeBIGGIRL』のような曲は、絶望的な状況で必死に何かを掴もうとするキャラクターの心情を見事に表現している。オーケストラとコーラスの壮大なサウンドが、縋り付く行為そのものの崇高さと儚さを同時に伝えてくる。
個人的に意外なところでは『NieR:Automata』のサウンドトラックもこのテーマに合う。『Weight of the World』の英語版は、文字通り世界の重みに縋り付くような歌詞と旋律が胸に刺さる。ゲームのラストシーンで流れるあの曲は、プレイヤーまでもが主人公たちに感情移入せずにはいられない仕掛けになっている。