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言語学的に興味深いのは、『扱く』が持つ独特のリズム感です。この言葉を聞くと、『ヴィンランド・サガ』のアシェラッドが斧を振り回すような、一連の連続動作を想像します。対照的に『叩く』は単発的な動作を表すことが多く、『ジョジョの奇妙な冒険』のスタープラチナの『オラオラ』連打のような持続的な攻撃には『扱く』の方がしっくりきます。擬音語とも相性が良く、『バシッ』と『扱く』、『トン』と『叩く』といった組み合わせが自然に感じられます。
この二つの動詞を比べると、使用する道具や対象によって自然と使い分けが生まれます。
竹刀で『扱く』とは言いますが、竹刀で『叩く』とはあまり言わないですね。逆に、ドラムを『扱く』とは言わず、『叩く』が適切です。『進撃の巨人』で調査兵団が立体機動装置で切りかかるシーンは『扱く』に近く、巨人が壁を壊すシーンは『叩く』に近い表現と言えるでしょう。
『扱く』と『叩く』はどちらも物理的な動作を表す言葉ですが、ニュアンスが大きく異なりますね。『扱く』はむちや細長いもので勢いよく打つイメージで、『鬼滅の刃』の竈門炭治郎が鬼を退治する時の刀の振り下ろし方なんかが近いかもしれません。一方『叩く』はもっと広範囲に使える表現で、ドアをノックするような軽い動作から、太鼓を力強く打つような動作まで含みます。
面白いのは、『扱く』には『厳しく指導する』という比喩的意味もある点です。『スラムダンク』の安西先生が選手を鍛え上げるシーンを思い出しますが、まさにああいう精神的な鍛錬を連想させますね。『叩く』にも比喩的用法はありますが、どちらかというと批判や非難のニュアンスが強い気がします。
漫画の翻訳でよく話題になるのがこの二つの動詞の使い分けです。海外のコミックでは『whip』と『hit』の違いに相当しますが、『進撃の巨人』の英語版では巨人の攻撃表現に両者を使い分けていて、ニュアンスの違いがうまく伝わっています。『DEATH NOTE』で死神がノートをたたくシーンは『叩く』が使われ、『ベルセルク』のガッツが剣を振るうシーンは『扱く』の表現がぴったりですね。
ゲームのアクション描写でもこの違いは重要です。『モンスターハンター』で大剣を振り下ろすのは『扱く』、ハンマーで殴るのは『叩く』に近い表現です。『ダークソウル』の鞭武器はまさに『扱く』動作そのもの。対照的に、『ストリートファイター』のザンギエフのパイルドライバーは『叩く』の範疇に入ります。面白いことに、武器の種類によって自然と使い分けが生まれるんです。