重要なのは、ゲームがその行為を奨励しているわけではなく、あくまでバーチャルなサンドボックスとして機能している点です。モラルシステムを導入した『Red Dead Redemption 2』のように、プレイヤーの行動に倫理的フィードバックを与える仕組みを取り入れることで、単なる暴力のシミュレーションから一歩進んだ体験を提供できます。
ゲーム業界には様々なテーマを扱った作品がありますが、倫理的配慮から『おやじ狩り』を直接的に題材にしたゲームはあまり見かけません。ただし、社会問題をシミュレートするようなゲームなら存在します。例えば『This War of Mine』は市民の視点で戦争の残酷さを描き、倫理的な選択を迫られる仕組みが話題になりました。
暴力的な行為をシミュレーションするゲームは、往々にして批判的な視点を含んでいることが多いです。『Spec Ops: The Line』のように、一見普通の戦争ゲームに見せかけて、プレイヤーに精神的な負荷をかける作品もあります。『おやじ狩り』のようなテーマを扱う場合、単純な暴力の再現ではなく、社会構造や心理描写に焦点を当てたアプローチが求められるでしょう。
また『The Wolf Among Us』のようなノワール調のアドベンチャーゲームでは、犯罪の心理的側面を掘り下げています。完全な加害者シミュレーションではなく、グレーゾーンでの判断をテーマにした作品の方が、倫理的な問題を回避しつつ深いテーマ性を表現できるようです。ゲームというメディアの特性上、単純な暴力の再現では評価されにくい現実があります。
火葬をメインテーマに据えたゲームはかなりニッチな領域ですが、葬儀や死を扱った作品ならいくつか興味深い例があります。『This Is the Police』では犯罪組織との関わりの中で葬儀業者のシミュレーション要素が登場し、倫理的なジレンマが描かれます。
より間接的なアプローチとしては、『Plague Inc.』のようなパンデミックシミュレーターが挙げられます。病原体が広がる過程で死亡率が上昇すると、街中に棺桶が積まれる様子が可視化され、死の規模を実感させる演出があります。日本では『かまいたちの夜』シリーズに葬儀社を舞台にしたエピソードがあり、サウンドノベルの形式で葬儀の裏側に迫る物語が展開されます。
インディーゲームの『A Mortician's Tale』は葬儀ディレクターの仕事をリアルに再現した作品で、遺体の洗浄や火葬の準備までを含むプロセスを体験できます。ただしゲームとしての面白さより、死生観を考えるきっかけを作ることが主目的です。こうした作品を通じて、普段は意識しない終末期の現実と向き合う体験が得られるかもしれません。
『This War of Mine』は戦争下の市民生活を描いたシミュレーションで、物乞いや食料調達の厳しさをリアルに表現しています。11ビットスタジオが開発したこの作品は、倫理的な選択を迫られることで有名です。
プレイヤーは廃墟となった街で生存者たちを指揮し、時には他人から物資を奪うか餓死するかの選択に直面します。音楽やグラフィックの陰鬱な雰囲気が、絶望的な状況をさらに引き立てます。特に冬のシナリオでは、暖を取るために本を燃やすといった細かい判断まで要求されるのが特徴です。