体の重心を把握するところから始めると、
蹲るポーズがぐっと説得力を持つようになる。足の裏どこに体重がかかっているか、膝と足首の関係、股関節の回転を頭の中でビジュアル化すると良い。自分はラフを描くとき、まず足元と股関節を大きな楕円と直線で捉えてから上体を乗せるようにしている。これだけで不自然な前傾や胴の伸びが減る。
次にライン・オブ・アクションを意識する。蹲るときはC字やS字の大きな流れが生まれることが多く、骨盤から頭までの曲線を一本で描けるようにすると全体のバランスがとりやすい。肩の位置や首の角度で感情も出せるから、ただのポーズではなく“座り込んだ理由”が伝わるように少しだけ頭を下げたり、視線の向きを決めておくといい。
最後に服のしわと重なりで重心を補強する。膝の上に乗った太ももや、裾が折れる位置に注目して描くと物理感が出る。参考になる作画だと、戦闘後に膝をつくようなシーンが多い'進撃の巨人'の作画は、重心の置き方と服の表現で説得力を出している。自分の作品でも、まずはシルエット→骨格→肉付け→服の重なりの順で仕上げると自然に見えるようになった。些細な角度調整が効くので、参考写真を撮って微調整するとさらに良くなると思う。