あの淡い苦さを引きずる感覚が忘れられない。そういう作品が好みなら、まず押さえておきたい三作を挙げてみる。
まずはマンガの代表格、'Solanin'。高校を出て社会に出たあとに漂う虚無感や、夢と現実のはざまで揺れる若者たちの描写が生々しくて刺さる。音楽や生活の細かい描写が、登場人物の内面を静かに抉るんだ。読み終えたあとも登場人物の決断や後悔が頭に残るタイプの作品で、'ままならない'のもどかしさを共有できる。
次にアニメ/小説の橋渡し的存在としてお勧めしたいのが'Welcome to the N.H.K.'。社会とのズレを抱えた主人公の内面モノローグが中心で、自己肯定や依存、再起といったテーマに踏み込む。最後に、恋愛よりも自己探索をじっくり描いた'頑張らないで生きる'系の雰囲気を求めるなら、'Honey and Clover'が良い。若さの不器用さと、選べない未来の重みを温かくも苦く見せてくれる。
僕はこれらを順不同で読むのが好きだ。気分に応じて刺さる箇所が変わるから、どれも'ままならない'という感情の異なる側面を照らしてくれるという点で必読だと思う。