提示方法について丁寧に考えると、選択の見せ方は大きく三つの方向に分かれると思う。まずは直球、つまり分岐の結果がはっきりわかる提示。意図的に選択肢の文言やアイコンで「これは危ない」「これは穏便」といったニュアンスを伝え、プレイヤーに結果の重さを理解させる。この方法は後で不満が出にくく、意図したドラマを確実に生む利点がある。
次に遠回しなヒントで誘導する方法。環境描写やサブクエストの成果、仲間の小さな反応を重ねることで、プレイヤーが自発的に疑問を持ち、ある選択が
堕落へと繋がる可能性を察するように仕向ける手法だ。心理的な説得力が強く、プレイヤーの責任感も高まる反面、ヒントが弱いと見過ごされる危険がある。
最後にプレイヤーのメタ情報を使う方法がある。選択肢の履歴、好感度や名声といった数値、あるいは場面ごとのスコアが視覚的に示されると、プレイヤーは自分がどの程度「堕ち」ているかを把握しやすい。『Mass Effect』のパラゴン/レネゲイドのようなシステムは、行動の積み重ねがキャラ像に直結することを分かりやすく伝える良い例だ。どの手法を取るにせよ、重要なのはプレイヤーにとって選択が意味を持ち、後悔や達成感が生まれるようにバランスすることだ。