ふとした日常の一瞬を照らす曲といえば、映画『秒速5センチメートル』の挿入歌である『One more time, One more chance』が真っ先に浮かぶ。上映後の余韻や登場人物の距離感がそのまま歌に重なり、聴くたびに胸が締め付けられるのを感じる。初めてその歌詞とメロディを耳にしたとき、具体的な出来事を思い出すわけではないのに感情だけが強く動いたので、自分の中に眠っていた時間の欠片が引き出されたように思えた。
ゲーム音楽の中で特に心に残っているのは、'The Legend of Zelda'のメインテーマだ。勇壮で希望に満ちた旋律が、冒険の予感を一瞬で立ち上らせる。最初にこの曲を耳にしたとき、画面の広がりと一緒に胸の鼓動が速くなったのを覚えている。以後、似たような音を聴くといつでもあのワクワクが戻ってくる。