やっぱり、ちょっとしたフレーズがファンフィクションに入るだけで空気が変わる瞬間ってあるよね。僕は『
そうだよ 便乗』という言葉をどう自然に差し込むかを考えるとき、まずはその一言が誰の視点から出るかを大事にする。単にネタとして放り込むだけだと浮くから、キャラの性格、関係性、直前の流れとぴったり合う瞬間を狙うのがコツだと思う。たとえばムードが緩んだ後の軽いツッコミとして入れるのか、もしくは葛藤をうまくかわすための裏返しとして使うのかで響き方が全然違う。
まずは具体的な場面設計から。僕はよく「集合シーン」や「会話の終盤」で試す。複数キャラが同じ方向性の行動を取りそうなとき、誰かが一歩踏み出す瞬間に『そうだよ 便乗』を吐かせると、自然な合流感が出る。実際の会話例を挙げると、A「こんな危ない橋は渡れないよ」B「え、行くって言ったの?」C「……そうだよ 便乗」みたいな流れ。Cが素で言うのか、皮肉めかして言うのかで受け手の感情が変わるから、台詞の前後に短い動作描写や表情の描写(視点キャラの一瞬の気づき、ため息、小さな苦笑など)を入れると、台詞が自然に溶け込む。
台詞回しとしては、イントネーションや句読点でニュアンスを操るといい。例えば短く切って「そうだよ。便乗。」とするとクールな印象、逆に「そうだよ、便乗〜」と伸ばすと軽薄さや愛嬌が出る。別の表現を交えてバリエーションを作るのも有効で、「便乗していい?」や「便乗しますよ〜」といった言い換えをキャラによって使い分けると、同じフレーズでも単調にならない。作品世界のトーンに合わせて語尾や語彙を調整することを忘れずに。たとえば『ワンピース』系のノリなら陽気に、重いシリアス路線なら皮肉か苦笑で処理する、といった具合。
あとは頻度のコントロール。面白いからといって何度も使うとギャグ化してしまうので、決め台詞にするのかワンポイントにするのかを最初に決めておくと良い。読者との距離感を意識して、章の切れ目やクライマックス直前で小さな笑いを挟む役割に使うのが僕の好みだ。最後に、作者ノートやタグで軽く注釈を添えると、読者が「ネタだな」と受け止めやすくなるから、使いどころを見極めて楽しんでほしい。自然に馴染ませられれば、その一言が作品の良いスパイスになるはずだ。