考えてみると、『
みつばものがたり』の制作秘話を追うのは、ファンとしての楽しみのひとつですよね。僕はまず単行本の巻末の「あとがき」や作者コメントを当たることをおすすめします。作者が連載当時に書き残したエピソードや制作裏話は、意外とこうした小さなスペースに濃縮されていることが多くて、ページをめくるたびに発見があるからです。単行本の版が違うと収録されているコラムやインタビューも異なる場合があるので、何種類か揃えて読むと全体像がつかめますよ。
それから、公式の情報源を確認することも大事です。作品を出している出版社の公式サイトの作品ページやニュースリリースには、単発のロングインタビューや対談が掲載されることがよくあります。加えて、漫画専門のニュースサイト『コミックナタリー』や各種ウェブメディアは、作家インタビューを丁寧にまとめてくれるので見逃せません。作者がSNS(Twitterやnote、pixivなど)で直接語る短めの制作秘話やラフ公開も大変面白いので、公式アカウントはブックマークしておくと便利です。イベント系だと、コミティアや書店でのトークショー、サイン会でのQ&Aが動画やレポートになっていることもあります。これらはYouTubeやニコニコ動画、出版社のアーカイブページで見つかることが多く、現場の空気が分かる貴重な資料になります。
具体的に探すコツとしては、まず作品タイトルや作者名に「インタビュー」「制作秘話」「あとがき」「トークショー」などのキーワードを組み合わせて検索するのが手っ取り早いです。過去の雑誌連載だった場合は、連載誌のバックナンバーや公式アーカイブをチェックすると、連載開始時や節目で行われた取材がヒットすることがあります。古い記事が見つからない場合は、ウェブアーカイブ(Wayback Machine)で消えたページを掘り返すのも有効です。ただし、ファンサイトやまとめ記事は一次資料ではないことがあるので、見つけた情報は出版社公式や作者本人の発言と照合して信頼度を確かめる癖をつけると安心です。
僕自身、こうした断片的な情報をつなぎ合わせて作者の制作スタイルやこだわりを想像するのが好きで、気づくと古い雑誌の切り抜きをコレクションしていたりします。もし新しいインタビューが出ていれば、まず公式と信頼できるメディアを優先的にチェックすると、的確で深い制作秘話にたどり着きやすいはずです。