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歌の順番には見えない計算が詰まっている。個人的には、いくつかの要素が同時に動く大きなパズルだと感じている。まず主催側の意図、次にレーベルや作曲者の都合、そして出演者の声のコンディションや得意なキーが揃って初めて“実際の”セトリ案が浮かぶ。
『アイドルマスター』のような大人数イベントでは、ユニットごとの見せ場をどう振り分けるかが重要になる。序盤で一体感を作る曲、中盤で各メンバーのソロや少人数パートを入れて変化を付ける、ラストにかけて一気に熱を上げる──この流れはだいたい共通だが、細部はその時々で変わる。特にライブでフルバンドを入れるかトラックで済ますかで曲順やキー転調の選択肢が大きく変わる。
私は何度か現場で、予定していた曲をキー調整してもらった経験があるが、そういう柔軟さが最終的に観客の満足度を左右する。裏で動く人間関係やスケジュール調整も含めて、セトリは現場力の結晶なんだと改めて思う。
曲目はファンと演者の両方を意識して決まる点が面白い。私は観客側の目線で予想することが多いが、制作側の配慮もよく理解できる。たとえば『刀剣乱舞』の公演では各キャラクターのソロ曲やユニット曲を均等に配置して、偏りなく見せる工夫が目立った。
時間制約や著作権の扱い、衣装替えの時間など現実的な制約が多く、それらを踏まえて「序盤で勢いをつける」「中盤で落ち着かせる」「終盤で盛り上げる」という基本設計を守りつつ細部を詰めていく感じだ。ファンアンケートや配信再生数のデータが反映されることも増えてきて、昔よりずっと合理的になった印象がある。
結局、良いセトリは出演者の個性を生かしつつ観客を飽きさせないテンポ配分ができているものだと私は思う。どの曲が来るかを考えるのもライブの楽しみの一つだ。
会場の空気を想像してみると、セトリの組み立て方がいかに繊細かよくわかる。制作側と出演者、音響や照明、振付チームが何度も話し合った結果、曲順が決まっていく過程が私は好きだ。まずイベントのテーマや新曲のプロモーションスケジュールが根幹になり、そこから“誰をどの場面で見せるか”が決まる。たとえば『ラブライブ!』系の公演なら、キャラクターの物語性やファンの期待を満たす曲を冒頭やクライマックスに持ってくることが多い。
次に実際の歌唱負担やキーの割り振り、衣装替えのタイミング、バンド演奏の構成など現場技術的な制約が入ってくる。全員で激しく盛り上がる曲を連続させると体力がもたないし、逆に静かな曲が続くと観客の温度が下がる。だからハイテンポとミディアム、バラードを緩やかに織り交ぜることで起伏を作るのだ。ファン投票や過去の配信データが反映されることもあって、実は数字を見ながら感情の流れを調整していることも多い。
当日のモニタリングやリハーサルで最終調整をして、もし誰かが体調不良なら代替の曲順やキー変更が即座に決まる。演者の個性を引き出しつつ、観客を飽きさせない緻密な設計──それがセトリを作る醍醐味で、見るたびに新たな発見がある。
イベントのテーマから逆算して選ぶことが多い。先に『○周年』『季節限定』『アニメ放送開始記念』といった枠組みが決まり、それに合う楽曲をピックアップする。たとえば『けいおん!』風のライブなら楽器演奏の見せ場やバンド演奏で盛り上がる曲を中心に据えることが自然だ。
制作側は数十曲の候補から、曲調のバランス、歌い手の声質、振付の見栄え、そしてステージ構成(回転ステージや小道具の使用可否)を照らし合わせて絞り込んでいく。加えて放送や配信の尺、休憩時間、アンコールの慣習も無視できない。私は過去の公演でソロパートを増やす案が採用され、観客の反応が劇的に変わったのを間近で見た。ファンが期待する定番曲は外せないが、新曲やレア曲をどこで投入するかが一番悩ましい。
最後は出演者の声の具合で最終決定が変わることもある。リハーサルでの手応えを見て、キーを上げ下げしたり曲の順序を入れ替えたりする柔軟さが、ライブの質を左右するポイントだ。