中古車店が年式別の相場を出すとき、まず目に入るのは“年式の区切り方”そのものだと気づいた。店によっては1年ごとに細かく表を作り、別のところでは「90年代前半」「00年代初頭」「10年代後半」のように世代で大まかに分けて提示している。私の経験では、年式ごとの相場表は通常、平均価格だけでなく最安値・最高値、走行距離の目安、グレード別の傾向、修復歴の有無といった注釈が付いていることが多い。これらはパッと見で比較できるが、注釈を読まないと同じ年式でも大きく差が出るのが実情だ。
集計方法は店ごとに違っていて、過去の店頭販売実績、オークション落札価格、同業他社の出品、オンライン掲載データをミックスして算出している場合が多い。さらに「証明書付き」「ワンオーナー」「整備記録有り」といった付加価値で年式ごとの相場にプレミアが付く表現がされていることもある。例えば1990年代前半の‘
ギャラン’はクラシック扱いで条件次第では数十万円台から、2000年代初頭は状態が良ければ数十万〜百数十万円、2010年代モデルは100万前後から状態・装備で250万近くまで振れる、といった注記がある。
相場表を読むときは「年式だけで決まるわけではない」点を私はいつも強調する。年式別の数値はあくまで目安で、走行距離、修復歴、整備履歴、地域差、販売店の保証体制によって実際の価格は変わる。だから表を見てピンと来たら、その裏にある注記や実車の写真、整備履歴を必ずチェックするのが賢い買い方だと感じている。