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手触りがすべてを語ると思う。僕はキャラグッズを選ぶとき、まず素材の感触や精度に目がいくから、作り手はそこを最優先に想定すべきだ。
例えば『鬼滅の刃』のようにビジュアルが強くファンの期待値が高いキャラクターなら、仕上げの高品質さを保てる素材を選ぶのが肝心だ。ぬいぐるみならマイクロファイバーやモンキーファブリックでふわふわ感を出し、縫製は二重ステッチで耐久性を確保する。フィギュアはPVCやABSで彩色を細かく再現しつつ、一部にダイキャストやクリアパーツを使って高級感を演出すると値段に見合う満足感が生まれる。
価格帯はラインナップで差別化すると良い。小物(アクリルキーホルダー、缶バッジ)は500〜1,500円で手に取りやすく、布系中物(クッション、ポーチ)は2,000〜5,000円、一般的な塗装済みフィギュアは5,000〜15,000円、限定のスケールフィギュアや金属パーツを多用した高級ラインは15,000円以上、といった区分だ。生産ロットやライセンス料で変動するが、ファンが納得する品質と価格のバランスを常に意識してほしい。個人的には、触った瞬間に「これは買って正解」と思える体験を提供するのが一番重要だと思う。
コスト計算の観点から整理すると、僕は価格設定を作り手側の現実的な数字とファン心理の両方で組み立てるのが正解だと考える。ここでは『スーパーマリオ』のような幅広い層に訴求するキャラクターを仮定して話すよ。素材はターゲット層に合わせて階層化するのがコツで、幼児やファミリー向けのアイテムは安全基準を満たす綿やポリエステル、耐久性の高いPVCを採用して製造コストを抑えつつ、低価格(300〜1,500円)のアクセシブルな商品群を作る。若年層やコレクター向けにはABSやPVCで成形した彩色済みフィギュア、あるいはアクリルや金属の豪華な小物を用意して、リテール価格を2,000〜10,000円に設定する。さらに限定版やコラボでは本革や真鍮、合金などのプレミアム素材を使い、20,000円超の高価格帯を用意して利益率を確保する。
製造面では最小ロットと検品コスト、輸送費を加味して原価から逆算し、卸し価格と最終小売価格の比率(一般には卸しが小売の40〜60%程度)を見積もる。ライセンス料やパッケージング、販促費も上乗せするため、開発段階で価格帯ごとの想定販売個数をシミュレーションしておくことが重要だ。個人的には、価格を決めるときに“その値段でファンが喜ぶか”を最後の判断基準にしている。
感情的なつながりを重視する目線だと、価格よりもまず素材選びがファンとの関係を左右する。『ワンピース』のように物語性が強い作品なら、アイテム自体が記念品や思い出になることも多いから、自然素材や手触りにこだわった製品を用意すると刺さりやすい。例えばバンダナやスカーフにはオーガニックコットンやリネンを使い、洗濯に強い仕様で長く使えるようにする。アクセサリー類は合金ベースにメッキやエナメルを施して日常使いできる耐久性を持たせると、ファンが普段から身につけやすくなる。
価格帯は情緒価値に見合った設定にし、手ごろな記念品を1,000〜3,000円、普段使いできる上質な日用品を3,000〜8,000円、物語の象徴を形にした限定品を10,000円前後にするのが現実的だ。限定性やシリアルナンバー、特別パッケージを付けると高価格でも納得感が出る。自分の経験から言うと、ファンは“長く大切にできるか”を重視するので、たとえ少し高くても素材の良さと作りの丁寧さが伝われば購入に踏み切る傾向が強い。