翡翠色のパープルがかった房を初めて目にした瞬間の驚きが、今でも園芸に向かうモチベーションになっている。育て方を順序立てて説明すると、まず環境から入るのが一番分かりやすい。
ヒスイカズラは熱帯原産なので寒さに弱く、最低気温は15℃前後を確保したい。直射日光は強すぎるため、午前中の柔らかな光や薄い遮光が向く。風通しは良く、湿度は高めに保つと花つきが良くなる。排水の良い腐葉土中心の用土で、根の過湿を防ぎつつも乾きすぎないバランスが重要だ。
次に置き場所と支えの話。枝が太く重い房を支える頑丈なトレリスやパーゴラが必要で、若い苗は早めに支柱を立てて誘引しておくと樹形が安定する。水やりは土表面が乾いたら深めに与え、頻度は季節と気候で調整する。肥料は開花前の追肥にリンを意識したものを与えると良い。繁殖は種子は発芽に手間がかかるが、挿し木や空中取り木が比較的確実。病害は根腐れとうどんこ病に注意し、風通しと用土管理で予防するのが肝心だ。これらを守れば、あの翡翠の房が庭や温室で見られるはずだと私は確信している。