作品を書く際には、読者の受け取り方を一番に考えるべきだと強く思う。
夜這いを扱う場面は文化的・歴史的背景があって魅力的に見えることもあるけれど、描写次第で暴力や非同意を正当化してしまう危険がある。具体的には同意の欠如をロマンティックに描いたり、被害側を責めるような語り口にするのは避けるべきだ。私が昔読んだ作品では、後の展開で「誤解だった」と片付けられていて、当時とても不快だったのを覚えている。
また年齢や力関係の明確化は必須で、未成年や著しく弱い立場の人を対象にする描写は倫理的にも法的にも慎重にならざるを得ない。描写の細部を事細かに性的に描写することは避け、被害の心理的影響や現実的な結果を無視しないこと。『ゲーム・オブ・スローンズ』の一部エピソードが示したように、衝撃的な場面をただショック効果のために置くと作品全体の信頼が損なわれることがある。
制作過程では当事者の視点を尊重し、必要ならば配慮を示すための前置き(トリガーワーニング)を付ける。被害の描写が物語上どう必要なのか、自分なりに説明できないならば代替の表現方法を検討した方がいい。私は書き手として、表現の自由は尊重されるべきだと思う一方で、読者の心に残る負の影響まで想像して作品を作る責任があると考えている。