運命の人は、あなたじゃなかったバレンタインデーの前、碓氷桐人(うすい きりと)からメッセージが届いた。
8桁の金額が記載された請求書のスクリーンショット。そこに映っていたのは、本来私へ贈るはずだったネックレスを、他の女のために買った明細だった。
私は泣いたり騒いだりせず、静かに家の掃除を続けた。
結婚してからというもの、毎月のように桐人のスキャンダル情報が私の元に届く。ネットからだったり、面白半分な友人からだったり、本人から直接だったり。
私はすでに、周りの笑い者になっていた。
だが、構わない。こんな日々も、もう長くは続かないのだから。