小説で「なりうる」が使われている有名なシーンは?

2026-02-22 17:06:48 255

3 Answers

Kian
Kian
2026-02-24 20:07:49
村上春樹の『ノルウェイの森』では、主人公の渡辺が直子について「彼女はもう二度と元の直子にはなりえない」と考える場面があります。

この「なりえない」という表現は、喪失と変化をテーマにした作品全体の核心をついています。精神的な傷を負った直子が以前の自分に戻れないこと、そして渡辺自身もその現実を受け入れなければならない状況が、この一言に凝縮されているのです。

春樹らしい簡潔ながら深みのある表現で、読者は登場人物たちの苦悩を共有することになります。このシーンは、人が経験したことがどのようにその人を変えてしまうかについて、考えさせられるきっかけとなるでしょう。
Yvette
Yvette
2026-02-24 21:47:14
夏目漱石の『こころ』で「なりうる」が使われる場面は、主人公が先生の過去を知り、人間の複雑な心理に直面するシーンです。

この表現は、先生の行動がどのような結末を招きうるかという不安を表現しています。特に、先生が友人Kを裏切った可能性について語る部分で、読者に強い印象を残します。漱石はこの言葉を通じて、人間の選択が持つ重みと、それが引き起こしうる悲劇を浮き彫りにしているのです。

現代の読者にとっても、この「なりうる」という表現は、自分自身の人生の岐路を考えるきっかけになります。誰もが直面しうる道徳的ジレンマを、文学作品がこれほど鮮やかに描くことは珍しいでしょう。
Alex
Alex
2026-02-27 09:12:02
司馬遼太郎の『坂の上の雲』では、日露戦争前夜の日本が「大国になりうるか」という問いが繰り返し登場します。

この表現は、当時の日本人の不安と期待を同時に表しています。小国が大国ロシアに挑むという無謀とも思える挑戦において、この「なりうる」という言葉は可能性と危険性の両方をはらんでいるのです。

歴史の転換点に立つ人々の心理を描く際、司馬はこの言葉を使って読者に当時の空気を伝えようとしています。現代から振り返ると、この問いがその後の日本の運命を暗示していたように感じられます。
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