庭いじりをしていると、小さな水たまりが思いのほか厄介な“繁殖場”になっているのをよく見かける。僕は最初、表面にぷかぷか浮いている黒い糸くずのようなものが何か分からなかったが、よく観察するとそれが
ぼうふらで、ちょっと触ると素早くもぞもぞ動くのが分かった。見た目の特徴としては、細長い胴体が何節かに分かれ、頭部が小さく、尾端で水面の空気を取り入れるために上向きになることが多い。動きは活発で、掻き回すと波紋に合わせて素早く屈伸する感じだ。
原因としては、いくつかの条件が揃っている点が挙げられる。まず水が停滞していること、次に水中に有機物や藻があること、そして日中は暖かくて水温が上がると生育が早まる。庭の鉢皿や古タイヤ、凹んだ地面に溜まった雨水はまさに好条件で、気がつくと卵が孵化して数日で幼虫群ができる。僕の経験だと、数日から一週間程度で次の世代が育つことが多く、頻繁に水が入れ替わらない場所が特に危ない。
対処法はシンプルで効果的だと感じる。見つけたらまず水を捨てるか土で埋めること、容器類をひっくり返すことが基本だ。移動が難しい水たまりには、流水に代える、あるいは市販の生物由来の駆除剤(BTIなど)を使う手もあるが、個人的にはまず物理的に排水・乾燥させる方法を優先している。観察力を少しだけ働かせれば、庭の小さな水たまりはぼうふらの有無とその原因をかなり正確に示してくれると実感している。