'NieR:Automata'のサウンドトラックに収録されている「Weight of the World」は、憂いという感情を多層的に表現した傑作です。英語・日本語・造語が混ざった歌詞が、主人公たちのアイデンティティ危機を象徴的に描いています。ピアノのアルペジオに乗せたボーカルの不安定なビブラートが、ゲームのテーマである存在意義の揺らぎを見事に音楽化しているんです。戦闘シーンではなく静かな場面で流れるバージョンが特に印象的でした。
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』のオリジナルサウンドトラックに収録されている『Where Does This Ocean Go?』は、憂いを表現するのに完璧な曲だと思う。
穏やかでどこか寂しげなピアノの旋律が、心の奥底に潜む不安や孤独を静かに引き出してくれる。特に雨の日に聴くと、窓の外の景色と音楽が溶け合って、言葉にできない感覚が広がっていく。
作曲者の菅野よう子は、この曲で人間の内面の複雑さを見事に音に変換している。テンポのゆっくりとした変化や、ところどころに入る電子音の効果が、現代社会における疎外感を想起させる。
曲を聴くとき、いつもまず人物像から音を想像する癖があって、クロエ=反骨心と寂しさが同居するキャラクター像が浮かぶ。だからおすすめの一つ目は、'Life is Strange'のオフィシャル・サウンドトラックに収録されているインディー寄りの楽曲たち。特にSyd Mattersの「To All of You」はクロエの切なさと希望の揺らぎをよく表現していて、何度聴いても胸が締め付けられる。
次にスコア面では、ゲーム内でクロエの出番に多用されるアコースティック主体の短いフレーズ群を追ってみてほしい。ジャンルで言えばフォーク寄りのギターや控えめなストリングスがクロエの繊細さを際立たせるので、シーンごとに流れる短いスコア曲を断片的に聴き比べるだけでも新しい発見がある。僕にとっては、この組み合わせがクロエ像を最も生き生きと感じさせてくれる。最後に、ゲーム外でのカバーやアレンジも侮れないので、ピアノやギターソロのインストアレンジもチェックしてみてほしい。
「憂き目」という感情を音楽で表現するなら、やはりクラシックの世界にヒントがある気がする。ショパンの『葬送行進曲』のような重苦しいテンポと下降旋律は、まさに絶望感を音にしたようだ。
現代作品だと、『NieR:Automata』のサウンドトラックにある『Weight of the World』の英語版も心に刺さる。歌詞の"I feel like I'm losing hope"というフレーズと、壊れそうなボーカルが憂鬱を増幅させる。ゲーム内でこの曲が流れるシーンは、プレイヤーに深い無力感を味わわせる名シーンだった。
憂き目を表現する音楽の特徴として、マイナーキーの使用や不規則なリズムが挙げられる。これらは聴き手の不安をあおる効果があり、『Dark Souls』シリーズのボス戦BGMもその典型だ。
'ブレードランナー2049'のサウンドトラックは、孤独と未来への不安を音で表現した傑作です。ハンス・ジマーとベンジャミン・ウォーフィスの作曲が織りなす重低音とシンセサイザーの響きは、まるで雨に濡れたネオン街を歩いているような感覚を呼び起こします。
特に『Tears in Rain』という曲は、初代『ブレードランナー』のテーマを現代風にアレンジしたもので、儚さと憂いが交錯する旋律が胸に迫ります。SFの世界観でありながら、人間の根源的な哀愁を感じさせる点が秀逸です。