手刀というと、まず思い浮かぶのは空手や剣道のような武道での使い方だ。でも、その起源はもっと深く、古代の戦闘技術や儀式的な動作にまでさかのぼる。
日本の古武術では、手刀は『てがたな』と呼ばれ、
武器を持たない状態で相手を制する技術として発展した。鎌倉時代あたりから文献に登場し、武士の素手での戦い方として重要視されていたらしい。『甲陽軍鑑』なんかにも、手刀を使った戦いの記述があるみたいだ。
面白いのは、手刀が単なる武器の代用品じゃなくて、精神修行の一環としても捉えられていた点。禅の影響を受けた武術家たちは、手刀を『心の刀』と表現し、技術の習得を通じて自己を鍛える手段にしていた。今でも、古流武術を学ぶ人たちは、手刀の動きに深い意味を見出している。
現代の空手や映画で見かける派手な手刀とはちょっと違う、奥深い歴史があるんだね。