目立ったのは、演出に関する細かな観察を好む批評家が多いことだった。編集やカメラワーク、音響の積み上げがどれほど戦闘の熱量を支えているかを細部まで分析するレビューが多く、僕もそれに同意する部分がある。たとえば斬撃の間合いを強調するカットや、効果音とBGMの同期で高揚感を作る手法は効果的だ。
ただしストーリー面では評価が割れている。プロットの粗さや説明不足、キャラクター同士の関係性の浅さを指摘する声が根強い。ある批評は、
叙述トリックや回想シーンの使い方が断片的で、全体の因果関係がつかみにくいと書いていた。個人的には、その断片的な語り口を意図的なものと解釈する余地はあるが、結果的に物語の一貫性が損なわれている場面も目立つと感じる。
比較の参考に挙げられるのが'
fate/stay night'のような物語重視の作品で、あちらは設定説明と心理描写の積み重ねで説得力を生んでいる。'
一騎当千199'は演出面の強さを武器にしているが、物語の深度という点で賛否が分かれていると僕は受け取っている。