ターゲット選定において、
寝取る要素を持つ作品は感情の揺さぶりを求める層に強く刺さることが多い。自分の経験から言えば、主に20代後半から40代前半の男性ファンが中心になる傾向があるが、これは単純な年齢論ではない。関心は「嫉妬」「裏切り」「溝の描写」といった心理的刺激に向かっており、性的描写の有無や表現の濃淡でさらに細かく分岐する。
実務的には、ソフトな心理描写寄りとハードな性的描写寄りでまったく違うマーケティングが必要だ。前者はドラマ重視のファン、後者はエロティックな刺激を求める層に届く。たとえば感情の綾を深く掘る作品として'スカムズウィッシュ'のような作風に惹かれる人は、登場人物の心情変化や共感できる痛みを重視する。一方、直接的な
寝取られ描写を求める層は、コミュニティやタグ検索を通じて作品を探すことが多い。
企画段階での配慮としては、作品の訴求点を明確にすること、年齢制限や注意書きを適切に設けること、そしてコミュニティの受容度を見極めることが欠かせない。感情の振幅を売りにするなら、その振幅が読者に不快感を与えないような細やかな演出設計が求められると感じている。