でもシチュエーションによっては'cut loose'や'throw caution to the wind'も使える。前者はもっと積極的に羽目を外す感じで、後者はもっと無謀な行動まで含むニュアンス。例えば『ワンピース』のルフィみたいなキャラが'throw caution to the wind'して敵に突撃するシーンとか、まさにこの表現がピッタリだと思う。
翻訳の面白さって、単なる言葉の置き換えじゃなくて文化の橋渡しだと思うんだよね。'虫酸が走る'を英語にする時、まず考えたのは物理的な吐き気を表す'nauseating'かな。でもそれだけじゃ足りない。日本語のこの表現には、精神的な嫌悪感も強く込められてるから、'makes my skin crawl'とか'revolting'も候補に上がる。
例えば『進撃の巨人』のレイス家の裏切りを知った時のエレンの感情を表現するなら、'The betrayal made my blood boil and stomach churn'みたいに複数の表現を組み合わせるのがしっくりくる。英語には日本語ほど生理反応と感情を結びつける慣用句が少ないから、文脈に応じて創造的に訳す必要があるんだ。
個人的には、漫画の翻訳で見かけた'It makes me sick to my core'が結構気に入ってて、内側からくる嫌悪感をうまく表現してると思う。作品の雰囲気によってはスラングの'grossed out'を使うのもアリだね。
翻訳現場でまず頭に浮かぶのは、原語の駄洒落やリズム感をどう英語側に落とすかという点だ。
僕は'やるっきゃ騎士'を分解して考える。語幹は「やるしかない(やるっきゃ)」という諦めにも意気込みにも取れる口語表現と、「騎士」という固有のイメージだ。直訳的にいくならば『You Must Do, Knight』や『Knight Who Must Do』といった選択肢が出てくるが、英語としてはぎこちなく、タイトル映えしない。
そこで、英語圏の読者が直感的に意図をつかめるように意訳で処理することが多い。例えば力強さと軽さを両立させるなら『Gotta Be a Knight』や『No Choice but Knight』のように短くリズムを作る案が良い。対照的にドラマ性を強めたいならば『Do-or-Die Knight』のようにやや劇的な語を当てる手もある。実際、翻訳者は'進撃の巨人'が『Attack on Titan』になったような“語感重視の直訳”と、“ネイティブがすんなり受け取る意訳”の間で揺れることが多い。最終的にはターゲット読者と媒体(コミックスの表紙か、アニメの英語版か)で最適解が変わると僕は考えている。
'睥睨'という言葉が持つ威圧的なニュアンスを英語で表現する場合、文脈によって最適な訳語が変わってきます。文学作品やゲームの描写で使われるような高圧的な視線を表すなら、'glare down upon'がピタリとはまります。例えば、ファンタジー作品の悪役が城壁から主人公を見下ろすシーンなどでは、この表現が威厳と軽蔑の両方を伝えられます。
一方、もっと日常的な場面で使うなら、'look down on'が自然です。ただしこの表現には経済的・社会的な優越感という含みが強く、純粋な物理的な視線の高さを表す場合には不向きかもしれません。ビジュアルノベルやアニメのキャラクター描写を訳すときは、'survey with disdain'のような少し凝った表現も効果的でしょう。
興味深いことに、'tower over'という表現は物理的に見下ろす状況と比喩的な優位性の両方に使えます。『進撃の巨人』のライナーが壁の上から兵士たちを見下ろすようなシーンには、まさにうってつけの表現です。どの訳語を選ぶかは、結局のところ、その視線に込められた感情次第と言えそうです。