最初に目を引くのは、極端に単純化された装置を通して人間関係や倫理をえぐり出す意図の明快さだ。視聴者の反応は一様ではなく、賞賛と批判が割れているのが面白いところで、個々の視点がかなり感情的に出やすい作品でもある。私の周りでは、前半の設定説明と細かな仕掛けにワクワクする声が多く、SNS上では理不尽さや不条理な笑いに共感するコメントが目立つ一方で、展開に不満を持つ人も少なくない。
物語のテンポ感については評価が二分されている。巧妙な種明かしや初期の緊張感を高く評価する層は、毎回の選択が人間の弱さや欲望を赤裸々に映し出す点を絶賛する。特に中盤のエピソードでは人物の微妙な心理変化を掬い上げる場面が強い印象を残し、キャラクター同士の駆け引きに引き込まれるという声が多い。対して、後半での急な展開や、設定を利用した強引な解決に違和感を抱く視聴者もいる。ドラマ的な山場の作り方がやや雑に感じられる、あるいはテーマの振り幅が大きすぎてトーンが定まらない、という指摘が散見されるのが現状だ。
テーマ性に関しては賛辞が集まりやすい。視聴者は単なるエンタメ以上のものを期待しており、『
人間操作リモコン』が提示する「自由意志」「責任」「他者との境界」といった問題は、多くの議論を誘発している。比喩や寓話性が強い場面では、『デスノート』のような道徳的ジレンマや、『ブラックミラー』的な技術批評と比較されることもあるが、本作はより人間ドラマ寄りの温度で描かれるため、感情移入しやすいという意見が多い。また演出面では、演者の細かな表情や間の取り方を賞賛する声が根強く、俳優の力量が作品の説得力を高めていると評されている。
総じて言えば、視聴者の評価は「構想と中盤までは高評価、解決部で賛否が分かれる」といったところに落ち着くことが多い。個人的には、荒削りな部分もあるものの、社会的な問いを投げかけ続ける力は確かで、強烈な印象を残す作品だと感じる。結末への好みは分かれるだろうが、見終わった後に誰かと感情を交換したくなるタイプの作品であることは間違いない。