驚くかもしれないけれど、
諸星大二郎の作品についての“公式な完全一覧”は公的にまとめられていないことが多い。私も過去に何度か調べてみたが、映画化・テレビ化・舞台化・ラジオ化など、散発的にメディア展開が行われてきた痕跡はあるものの、一か所にまとまったオフィシャルリストは見つからなかった。
それでも情報を集めれば事実上の一覧は作れる。私がたどった方法は、まず連載誌のバックナンバーと出版社のアーカイブを確認し、次にメディア系のデータベース(例えば日本のメディア芸術データベース)や映画・テレビのデータベースを当たるという流れだ。さらに、当時のテレビ番組表や舞台の公演記録、古い雑誌インタビューを並べると、どの短編がどこで映像化・脚色されたかが見えてくる。
私見では、諸星作品は短編や断片的な物語を多く含むため、単独で長尺映像にするよりも
オムニバスや特集枠で扱われるケースが多い。だから一覧を作るなら、媒体(映画・TV・舞台・ラジオ)別に時系列で整理するのがおすすめだ。自分で一覧を作る作業は手間がかかるけれど、発掘の楽しさがあると感じている。