黒執事'の物語全体を振り返ると、セバスチャンとシエルが最初に契約を交わしたシーンが最も重要な転換点だと思う。あの瞬間から、シエルの復讐劇が本格的に始まり、セバスチャンの本質も少しずつ明らかになっていく。
特に印象的なのは、シエルが「僕の魂を食らうまで、僕の執事を務めろ」と命じる場面。この台詞は単なる契約以上のものを感じさせる。セバスチャンが微笑みながら「Yes, my lord」と答えるとき、両者の関係性の特殊性が一気に浮き彫りになる。後のエピソードで展開されるすべての事件が、この契約を軸に回っているように思える。
アニメの演出も素晴らしく、暗い教会堂で交わされる契約は不気味ながら美しい。このシーンがなければ、後のシエルの冷酷な決断やセバスチャンの忠実ながらも不気味な行動も理解できないだろう。物語の核となる契約が、キャラクター同士の複雑な関係性を決定づけている。