残業は、あなたのためだけに~部長、あなたを壊すのは俺です
無口で繊細な32歳の美形部長・南條司は、仕事だけを武器に他人と距離を置いて生きてきた。
社内異動で現れた伊吹蓮は、完璧な業務と人懐こい笑みで部署に溶け込みながら、司にだけ“当然”のように近づく。
五年前、濡れ衣を着せられた新人の蓮を、司はたった一言で救っていた――
出張の夜、手違いで一部屋しかないホテル。
距離を保つはずの司は、静かな密室で蓮の体温と視線に追い詰められていく。
帰任後の金曜、宅飲みはいつしか合図になり、終電を失うことさえ二人の暗黙の約束へ変わる。
名前を呼ぶだけで崩れてしまいそうな理性、触れられるたびに確かめたくなる“次”。
静かな部屋に残るのは、鍵の音と、離れられなくなる予感だけ。