私が本当に結婚したら、彼らは後悔し始めた
田中慎也(たなか しんや)は、やっと私のプロポーズを受け入れてくれた。
彼は、私に結婚式の当日は綺麗な服を着てくるように念を押してきた。とっておきのサプライズがあるんだって。
でも、私がドレスに身を包んで出席した結婚式には、新郎の姿はどこにもなかった。
慎也は、隣に立つ義理の妹に笑いかけて言った。「結婚式って面倒くさいし、つまんないって言ってただろ?今日は面白い結婚式を見せてやるよ」
その時司会をしていた兄は大声で「結婚式、中断します!」と発表した。
すると幼馴染は、私の頭上に用意してあった水風船を落とし、私をずぶ濡れにした。
慎也は、眉をひそめながらふざけるように私に言った。「美咲、からかっただけだってよ。俺がお前と結婚するわけないだろ?」
この結婚式は、鬱病の義理の妹を元気づけるための、ただの茶番劇だったんだ。
私が黙っていると、慎也はまたニヤニヤしながら言った。「そんなに結婚したかったら、参列者の中から誰か選んで結婚すればいいだろ」
しかし、私が本当に新郎を連れて出席すると、彼らは慌てふためいた。