最初の妻に不倫した元夫が後悔した
私・白石陽子(しらいし ようこ)は田中勝(たなか まさる)と二年間、秘密の恋人関係を続けた。
彼が婚約する前に、かなりの「手切れ金」を受け取り、静かに身を引いた。
三年後、父親が亡くなり、彼はグループの後継者となり、政略結婚した妻と離婚して、再び私の元に戻ってきた。
涙を浮かべながら告白する。「今の俺は自由になった。やっとお前と一緒になれるんだ」
彼は狂おしいほどに償い、惜しみない愛情を注ぎ、夢のように華やかな結婚式を挙げてくれた。
翌年、私は妊娠した。しかも双子だった。
喜びのあまり、彼の出張先へすっ飛んでいったが、思いがけず、彼と友人の会話を耳にしてしまった。
「陽子、いい子すぎてさ。噛み終わったガムみたいに、だんだん味気なくなってきちゃってさ。なんていうか……あの頃の情熱が、もう感じられなくなったんだよな」
友人がわざと含みのある口調でからかう。「ああ、お前の元妻ったら、すごいパワーだったよな。この数日、もう干からびるほど絞り取られたんじゃないか?」
口元に未練がましい笑みを浮かべ、勝は自嘲気味に鼻で笑う。「あいつか?俺のこと、ただの無料のアダルト玩具だと思ってるよ」
胸が苦しく、吐き気がこみあげてきた。
田中勝、あなたみたいな人、私に愛される資格なんてない。