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第32話 挙式当日

last update Last Updated: 2025-09-18 06:10:49

2025.2.2大安吉日

バタバタと準備が進められ、この佳き日を迎えることが出来た。

お腹の赤ちゃんも順調に育っているようで、5ヶ月に入り安定期となった。

しばらくは、悪阻で気持ち悪くあまり食べられなかったので、ついに秘書業務はお休みすることにした。きっとこのまま退職することになるのだろう。

ようやく悪阻も治まった。

ずっと家に居ても退屈だし、修斗が時々体調の良い日は、会社に来て! と言うので、

瀬尾さんに引き継ぎがてら、林さんの顔を見に行っていた。

心配症の修斗は、私専用の運転手さんとお手伝いさんを付けてくれた。

悪阻の時、お腹が空くと気持ち悪くなるようで、

小さなおにぎりを1つ食べると落ち着いていた。

なので、ちょこちょこ食べられるように、お手伝いさんがいつも用意してくださったので助かった。皆さんのおかげで、ようやくここまで来れました。

何もしないと太り過ぎてしまうからと言うのだが、何もさせてもらえない。

なので、赤ちゃんの物を編んだりしてゆったり過ごさせてもらっている。

まだ、5ヶ月なのであまりお腹も目立たず、ウェディングドレスもカクテルドレスも違和感なく着ることが出来て良かった。

バージンロードは、やはり母と並んで入場することに……

母にベールダウンしてもらい、それを見るだけで、涙する親戚や友達も多く、先に泣かれてしまったので、こちらまでもらい泣きしてしまい、笑顔で居なきゃと思うと、笑い泣きの挙式で始まってしまった。

ようやく修斗の所まで歩いて辿り着き、ベールアップ、誓いのキスは、涙が流れ鼻が詰まって大変だった。

思わず笑ってしまった。

そして、披露宴へ

最初は、新郎新婦の入場。

お色直しの時、ついに社長念願の新婦との入場に、会場が沸いた!

だって、社長がまるで選挙活動のように皆さんに手を挙げながら入場するものだから、爆笑をさらっている。

──社長! 満足ですか?

その頃には、私も爆笑していた。

そして、高砂席まで送り届けてくださると、何故か修斗にお辞儀して、2人でお辞儀し合って握手していた。

私の父親代わりをしていただき、有難うございました。

妊娠中と言うことも有り、まだ長時間の拘束は、疲れるので、余興などは全て省かせていただいた。

なので、社長の
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