だって金狼さんが俺の胸を舐めはじめたから
「ぁぁ、はっ、ぁぁ、ん、ぁぁ」 ほんと金狼さんて手馴れてる。 「ぁぁ、ん、ぁぁ」 だって俺いつの間にか服着てないんだもん。学校の姿じゃ想像できないよね。あのキチッと姿したで堅物で有名な生徒会長さんが街で有名で噂になってる人物だとはね。 「よそごと考えられるほど余裕なんだ」 俺の顔を見て金狼さんがニヤリと笑う 「んっ、ぁぁ、っ、ぁぁ」 キュウッと胸の突起を抓まれる。 「ん、ぁぁ、っ、ぁぁ」 余裕なんてないよ。あなたが巧すぎるからなんて思ってても口にはできない。だって俺の口から出るのは 「ぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ」 自分でも驚くほどの甘ったるい喘ぎ声。その声に金狼さんが眼を細める。その仕草さえかっこいい。 「ぁあぁ、あぁぁ」 金狼さんの手が身体を撫でていく。 「ん、ぁぁ、ぁぁ」 それだけで感じてしまうほど俺の身体は熱を持っていた。クチュ
湿った音がする。わかってるよ。自分の先走りの液体のせいだって。だって金狼さんが触れてるからだ。
「ぁ、あぁ、ん、んぁ」 胸と一緒に触れられたらヤバいって。 「あぁ、ぁぁ、んぁ」 止まらない。次から次へと先走りが溢れてくる。その液体が金狼さんの手を濡らしていく。 「ん、ぁぁ、ぁぁ、ん、ひゃぁ」 ヤバイっていきなり咥えられたらすぐにいくって俺… 「あぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ」 マジでヤバイ。 「あぁ、ぁぁぁん、ぁぁ、もぉ、ぁぁ、ぃくぅ、ぁぁ、はな、ぃて、ぁぁ」気持ちよすぎるよ。
「いけよ」
なんてさっきよりもきつく吸い付くから 「ぁぁ、あぁぁぁ」 俺はあっけなく金狼さんの口の中に吐き出した。しかも金狼さんはそれを飲み込んじゃった。 「飲んじゃったの?」 つい間抜けな質問をしてしまった。 「そうだけど」 なんてあっさり言われて金狼さんの指が中に入ってくる。先走りの液で濡れた指はすんなりと受け入れられていく。まぁ酷く扱われても慣れてるから平気だけどね。 「ん、ぁっ」 指は1本から2本へと増やされていく。 「あぁ、ぁぁぁ、ん」 しかも簡単に俺の感じる場所を見つけたわけで…。 「ん、あぁぁ、あぁ」 気持ちがいい。 「腰が動いてる」 なんて言われる。すごく楽しそうに。しかたないじゃん気持ちいいんだから 「っ、ぁぁ、ぁぁ、ん」 この人ほんと巧すぎ。しかも胸まで弄りだすから堪らない。 「あっ、ぁぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ」 自然と腰が動いて先走りの液が次々と溢れてくる。そこは金狼さんの指が動くたびに音がするぐらい湿ってきてるわけで… 金狼さんは一旦指を引き抜くと自分の着てる服を脱ぎ捨て俺の身体の位置を直し腰を掴む自分のものを宛がうとゆっくりと中に入ってきた。 「ん、ぁぁ、ぁっ」 俺は金狼さんの首に腕を回した。 今だけでいい…今だけでいいから俺を愛して…
偽りの愛でいいから…
金狼さんはゆっくりと動き始める。 「あぁ、ぁぁ、ん」 金狼さんは何度もキスをくれた。まるで淋しがってる俺の心を見透かすように… 「あぁ、ぁぁぁ、ん」 俺は抱き着く腕に力をこめた。 もっと…もっとあなたを感じさせて…今だけでいいから…お願い…あなたの温もりをちょうだい…
「あぁ、ぁぁぁ、ん」 金狼さんが動くたびにいいとこをろ突きあげられる。そのたびに声が毀れる。 「あぁぁ、ぁぁぁ、ん、ぁぁ」 金狼さんに突き上げられながら自分で腰を振って快楽を求める。 今だけでいいからそのキレイな瞳に俺を映していて… 「ぁ、あぁ、もぉ、あぁぁ」 もう限界。すぐにでも行きそう。だって金狼さんが巧すぎるから…。 「いいからいけよ」 耳元で囁かれる。その声がゾクリと腰にくる。金狼さんは俺の腰を掴むと動きを速め俺を攻めたててくる。 「あぁ、ぁぁぁ、ん、あぁぁ、もぉ、ぁぁ、だめぇ、あぁぁ」 金狼さんに抱きつく腕に力が入る。 「俺もだ、いけよ」 そう告げる金狼さんの顔は妖艶で魅了されそう。 「あぁぁ、いくぅ、ぁぁぁ」 「っ、くっ」 俺は金狼さんのものをきつく締め付けいった。金狼さんも俺の中に吐き出した。俺たちはしばらく余韻を楽しむようにキスを繰り返してた。
「先にシャワー浴びてもいい?」 俺は金狼さんに聞いてみる。 「あぁ」 金狼さんはそれを許してくれた。俺はベッドから降りるとバスルームに入った。中に入るとシャワーのコックを捻り頭からお湯をかぶる。そうすれば涙が隠れるから…。
いつもそうだ。誰かに抱かれた後は涙が零れ落ちる。偽りの愛が胸を締め付ける。
本当の愛を知らないから…。
「…っ…ひっく…」 今だけ…今だけは泣かせて…出たら元の俺に戻るから…
今だけは…
「ありがとう」 バスルームから戻った俺は何事もなかったように振る舞い金狼さんに告げる。 「眼が赤い。泣いたのか?」 俺の頬に触れ訊いてくるから心臓が飛び跳ねた。 「シャンプーが眼に入ってさ。痛いのなんのって。ねぇ先に出てもいい?」 これ以上は一緒にはいられない。 「そうしたいのならそうすればいい」 彼は何も問わずにいってくれる。優しいよね。 「じゃぁ、バイバイ」 俺はそう告げ金狼さんから離れようとしたら腕を掴まれた。 「なに?」 俺は意味が判らず聞いてみる。 「バイバイじゃなくて、またな」 金狼さんはそう言って笑った。カッコいい顔で…俺は返事ができずに頷いた。言葉に出せば涙が出そうだったから… 「またな、蒼華」 金狼さんは同じ言葉を口にする。 「う…うん。またね」 俺はやっとそれだけ口にして部屋を出た。 足早にその場所を離れ家に戻った。 走って家に帰ると鍵を閉め階段を駆け上がり自分の部屋に飛び込んだ。そのままの勢いでベッドに倒れこむ。ずっと我慢してきた涙が堰を切って溢れ出す。流れ出た涙を止める術を知らない。
「…っ…ひっく…っ…」 知り合わなきゃよかったんだキスなんてしなきゃよかったんだ
抱き合わなきゃよかったんだ
いつも後悔ばかり
またねなんてないんだ
だからバイバイでよかったんだ
だって…俺とあなたの住む世界は違いすぎるから
俺は…あなたの知ってる俺は…
本当の俺じゃないんだから
だから…だから…
バイバイなんだよ…
バイバイでよかったんだよ…
だって金狼さんが俺の胸を舐めはじめたから「ぁぁ、はっ、ぁぁ、ん、ぁぁ」ほんと金狼さんて手馴れてる。「ぁぁ、ん、ぁぁ」だって俺いつの間にか服着てないんだもん。学校の姿じゃ想像できないよね。あのキチッと姿したで堅物で有名な生徒会長さんが街で有名で噂になってる人物だとはね。「よそごと考えられるほど余裕なんだ」俺の顔を見て金狼さんがニヤリと笑う「んっ、ぁぁ、っ、ぁぁ」キュウッと胸の突起を抓まれる。「ん、ぁぁ、っ、ぁぁ」余裕なんてないよ。あなたが巧すぎるからなんて思ってても口にはできない。だって俺の口から出るのは「ぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ」自分でも驚くほどの甘ったるい喘ぎ声。その声に金狼さんが眼を細める。その仕草さえかっこいい。「ぁあぁ、あぁぁ」金狼さんの手が身体を撫でていく。「ん、ぁぁ、ぁぁ」それだけで感じてしまうほど俺の身体は熱を持っていた。クチュ湿った音がする。わかってるよ。自分の先走りの液体のせいだって。だって金狼さんが触れてるからだ。「ぁ、あぁ、ん、んぁ」胸と一緒に触れられたらヤバいって。「あぁ、ぁぁ、んぁ」止まらない。次から次へと先走りが溢れてくる。その液体が金狼さんの手を濡らしていく。「ん、ぁぁ、ぁぁ、ん、ひゃぁ」ヤバイっていきなり咥えられたらすぐにいくって俺…「あぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ」マジでヤバイ。「あぁ、ぁぁぁん、ぁぁ、もぉ、ぁぁ、ぃくぅ、ぁぁ、はな、ぃて、ぁぁ」気持ちよすぎるよ。「いけよ」なんてさっきよりもきつく吸い付くから「ぁぁ、あぁぁぁ」俺はあっけなく金狼さんの口の中に吐き出した。しかも金狼さんはそれを飲み込んじゃった。「飲んじゃったの?」つい間抜けな質問をしてしまった。「そうだけど」なんてあっさり言われて金狼さんの指が中に入ってくる。先走りの液で濡れた指はすんなりと受け入れられていく。まぁ酷く扱われ
今宵も一人。誰もいない。誰にも踏み入っては欲しくない。だから俺はいつもの噴水の所のベンチに座り空を見上げる。俺を冷たく照らす月。いっそ消えてしまえばいい。そうすれば誰も傷つかずに済むでしょ?誰か…誰か…俺の存在を消して?俺を忘れて?そうすれば俺は楽になれるでしょ?苦しまなくてすむでしょ?俺は誰にも必要とされてないのだから…もういい加減自由にしてほしい。もう終わらせてほしい。これ以上、俺を追い込まないでくれこれ以上、俺を追い詰めないでくれこれ以上、俺を壊さないでくれだから、俺を消してくれ俺は小さく息を吐き地面を見つめる。彼は現れるだろうか?俺は一体なんなんだろう?俺はなに?俺は…「隣いいか?」不意にその言葉で現実に引き戻される。「どうぞ」俺は笑って答える。あぁ、ちゃんと笑えてるかな?変な顔してないかな?「タバコ…」彼は隣に腰掛けそこまで言いかけてやめる。「吸えばいいよ。俺も吸ってるから気にしないよ」俺は昨日と同じ言葉を返す。まぁ普段から吸ってるのは事実だし。気にはしない。それにZEAのメンバーも平気で吸ってるから気にしない。来るかどうかわからない俺を待ってたんだろうか?そうだとするとなんか嬉しいな。俺は彼のタバコに火をつける仕草をジッと見つめていた。ほんとキレイだよね。それにカッコいいし。噂になるだけの人物だ。憧れてるやつだって少なくない。こうしてこの人と出逢えたことが奇跡なんだ。俺が出逢えたことが奇跡なんだ。約束できることが奇跡なんだ。なんで俺の前に現れた?なんで俺に係わる?「金狼さんってキレイだね」
「ねぇ翔ちゃん、ドレッシングがゴマ味しかないけどいい?」俺はふと思い出したことを聞いてみる。サラダを作る予定だったけど、俺はドレッシング派だからドレッシングしかないんだ。「ん?あぁ、いいぜ」集中してる翔太からは生返事が返ってくる。翔太のヤツは一個のことに集中すると周りのこと考えられなくなるんだよね。俺と違って集中するとそれに集中するからさ。俺はその気がないからあんまり集中しないんだけどね。あいつのことだから晩飯ができる前に課題を終わらせる気だよ。俺は課題をやってる翔太をそのままに晩飯の続きをする。と言ってもあとは煮込むだけだからそんなに時間はかからないけどね。俺はぼんやりと鍋を見つめる。考えるのは自分の存在の意味。俺の存在理由は何?俺はいてもいいの?そんなことばかりが頭の中に浮かんでは消えていく。「はっ、バカらしい」今に始まったことじゃないのに…。「翔ちゃん出来たよぉ」俺は出来上がったご飯をテーブルに並べながら翔太を呼ぶ。「ん、今行く」翔太はノートと教科書を片付けてキッチンに出てくる。「食べよう」俺が椅子に座って言えば「いただきます」翔太も同じように椅子に座って食べ始める。「うめぇ、相変わらずうめぇな」翔太は本当に美味しそうに食べてくれる。「それはよかった」俺は小さく笑う。が、困った。食欲がねぇや。「無理して食うことねぇんじゃね?」やっぱり翔太にはバレるか。付き合いが長いからバレちゃうよなぁ。「悪い、食べて。大丈夫だと思ったんだけどなぁ」俺は自分の分の皿を翔太の前に置く。「しょうがねぇんじゃね?こればっかりはさ」翔太は俺の分のハンバーグに手を出しながら言ってくる。それでも深く追求してこないのは翔太の優しさだってのはわかってる。「まぁ、いいけどさ。早く解放してくれ。それが今の俺の気
いつも使ってるスーパーの駐車場に設置してある銀行のATMで残高の確認ついでに必要最低限のお金をおろしスーパーに入った。「さて、何を買おうか?」冷蔵庫の中身を思い出しながら考える。最近、買い出しに来てないからそんなに食材がなかったな。今まで1人で生きてきた分だけ俺は自分で料理ができる。これも意地で覚えた生きていくために。そうじゃなきゃ生きてこれなかったからね。料理番組で覚えたり、本で覚えたり、今ではオリジナルレシピもあったりする。それだけ一人で生きていくためには必要だったんだ。でも…1人で食べる料理は美味しくない。ただ虚しいだけ…。だからちゃんとした料理はたまにしか作らない。1人だと食べる気が起きないからなんだけどさ。適当に買い物を済ませた俺は独り歩き慣れた道を歩く。思い出すのは幼い頃まだ母がいたあの日。思い出したって戻ってくるわけじゃないけどさ…。「いつまで縛り付けとけば気がすむんだよ」崩壊した家庭ならいつまでも家族ごっこなんかしてなくてもいいだろ?いい加減にしてくれ、俺を自由にしてくれ…。もう疲れた。俺はいつまで俺を演じればいい?誰かこんな俺を殺して?誰にも迷惑がかからないように壊して欲しい…俺は無意識のうちに唇を噛み締めていた。強く噛んでいたのか唇が切れ血の味が口の中に広がった。「いつまで我慢すればいいんだよ」一人呟いたって答えは返ってこない。結局、結論を出すのはあの2人なのだから…。俺はもう一度溜め息をつき歩くスピードを上げた。「蒼樹」家の近くで学校から帰って来た翔太に呼び止められた。「今、帰り?」翔太に聞いてみた。「あぁ
学園を出てバスに乗り込み、いつものバス停で降りて足早に家へと向かう。少しだけ焦る気持ちを抑えながら鍵を開けて中に入るけど母の靴は見当たらない。「まだ来てねぇのか…」俺の方が早く着いたらしい。しんとする家の中。相変わらず誰もいねぇ。俺は靴を脱ぎ捨てて2階へと上がり自分の部屋に入る。クローゼットを開けて制服から普段着に着替えて1階へと戻りリビングに入る。リビングの壁に掛けてある時計を見れば13時45分。「相変わらずだな。いつもの時間とかいいつつ遅いし」いつもの時間と言いつつ来るのはいつも遅い。俺はソファに横になり雑誌を取り読み始めた。もう読み終わった雑誌だからつまらないけど…。半分ぐらい読み終えた頃ガチャン玄関が開いた音がする。帰ってきたのか。俺はどうこうするわけでもなく、そのままの体勢で雑誌を読んでいた。「あら…いたの…」俺の存在がリビングにあるのに気が付いて驚く。「ん」俺は短く返事をした。わかってる、俺を見てるわけじゃない。ただ、存在を確認しただけ。そこにいると…。足音がリビングから離れていく。「お金いつものように振り込んでおいたから」いつもと同じで声だけが飛んでくる。いつもそうだ、決して俺を見て話しはしない。「ん、ありがとう。そうだ、ビールがなくなりそうなんだけどさ」俺もあえて声だけで返事をする。母親の存在を確認するつもりはない。相手だってそれを望んでるわけじゃないから。「いつもの場所に置いてあるわ。安かったから多めに買ってあるし、他のお酒も安売りしてたから買っておいたわ。後、タバコもいつもの場所よ」あぁ、やっぱり言葉だけが飛んでくる。俺自身を一度も見ようとはしない。俺は立ち上がり確認しに行く。テレビの横にある棚の引き出しにタバコが3カートン。キッチンの棚の中にビールが3ケース。ウイスキーとかワインとか入ってる。ホント、普通じゃねぇよこんなの。未成年にこんなの買って与える親ってどうなんだ。ホント普通じゃねぇ。まぁ、当たり前か今の状況が普通じゃねぇんだから…。俺の家庭はとうに崩壊してるんだから…。壊したのは両親。壊れたのは俺自身。「他に何かいるものあった?」ほんと言葉だけが飛んでくる。「今はいい」だから俺も言葉だけで返事をする。俺の存在って何?俺ってあんたたちの何?俺ってあんたたちの子供じゃない
貧血も治まり教室に戻れば「おう、貧血小僧、大丈夫か?」丁度、担当が担任の吉田だったらしく聞いてくる。「うぃっす」俺は返事をしながら自分の席に着いた。「おまえが朝会に出ないのを黙認してやってんだから曜日は間違えるなよ」そうなのだ。俺は吉田に黙認してもらってるのだ。「へ~い。気をつけま~す」俺の適当な返事を聞き授業が再開された。その後も適当に授業を受けてたら昼休みになった。「蒼樹、お前はどうする?」翔太が聞いてくるから「ん?俺が無理なの知ってて聞いてるだろお前?」ギロッと睨んだ。「だよな、じゃぁ昼食いに行ってくるわぁ」翔太は悪びれることもなく他のヤツラと一緒に食堂へ向かって出ていった。俺はというと昼食だけが食べれない。食べると食べた分だけ戻すのだ。原因不明の病気。この症状が出たのが小6の時。全ての始まりがの頃…。「さてと、今日は屋上にでも行きますかね。天気もいいしなぁ」俺は財布から小銭を取り出し教室を出た。屋上に向かる途中にある自動販売機でお茶を買いそのまま屋上へと足を向けた。屋上の扉を開けて「誰もいませんねぇ~と、と、と、マズいものを見た気がする」俺はその場に固まった。イヤ、屋上の扉は急いで閉めたが…。なぜならば、あの、生徒会長様が堂々と喫煙なんぞしてたからだ。意外だ、堅物だとか言ってたもんだからもっと真面目かと思ったんだけどねぇ。「言いたきゃ言えばいいぞ」なんてあっさり言われる。俺が見ても動じねぇし。強者だねぇこの人。「二重人格?」彼の前にちょこりとしゃがんで聞いてみる。「猫を被ってるだけだ」紫煙を吐きながら答えてくれる。「じゃぁ、これもその一つなんだ。金狼さん」俺は彼の顔からひょいっとメガネを取り上げて聞いてみる。「チッ」明らかに機嫌を悪くして舌打ちをする。やべぇ、怒らしたかな?意外に短気?「返せ」俺の手からメガネを奪い返しはめ直す。「誰にも言わないから安心していいよぉ。煙草のことも、金狼さんのことも。じゃぁねぇ~ん」俺はそう言い残し屋上を後にした。「学年トップで特A クラスねぇ。あったまいいじゃん。すっげぇ~」俺は感心しながら手に持っていたお茶を飲む。この学園は学力を重視しているので変なクラス編成をしている。A~Dクラスまであって、その中から特に優秀な人材だけが特別クラスに