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第7話

Penulis: あめちゃん大好き
冷たいプールの水が鼻と口に流れ込み、息も絶え絶えになる中で、視界に入ったのは絢香の満足げな笑みだった。真奈美の意識が次第に遠のいていく……

「真奈美!」

朦朧とした意識の中で、直樹が走り寄ってくる姿が見えた。

「おい、目を覚ませ!真奈美!」

直樹はプールに飛び込んで彼女を抱き上げ、焦った様子で何度も頬を叩いた。

真奈美は水を吐き出し、激しく咳き込んだ。肺が張り裂けそうに痛む。

「大丈夫か、真奈美?変な心配させるなよ!」

直樹は自分のジャケットを脱いで彼女を包み込んだが、その腕はかすかに震えていた。

「彼女が……私を押したの……」真奈美は弱々しく絢香を指さした。

絢香はすぐさま直樹の胸元へ飛び込み、目を真っ赤にして泣き崩れた。「直樹、違うわ!私じゃない!彼女が自分で勝手に落ちたくせに、私を陥れようとしているのよ」

直樹の視線が真奈美と絢香の間を揺れ動き、その表情は次第に険しいものへと変わっていった。

やがて彼は疲れ切ったようなため息をついて言った。「真奈美、お前がつらいのはわかる。でも、自分を傷つけて絢香を罠にはめようなんて、そんな真似……正直、がっかりだよ」

凍りつくような冷たさが全身を駆け巡った。

プールの水よりも、ずっと冷たかった。

直樹の、納得のいかないことばかり言う絢香を憐れむようなその目を見て、真奈美はふっと、乾いた笑い声を漏らした。

掠れた笑い声はすぐに激しい咳に遮られ、喉の奥に焼け付くような痛みが走る。「ねえ……あなたは、そこまでこの女を信じるの?」

「すまない」直樹は苦渋に満ちた表情で、それでも絢香を背に隠すようにして庇った。「絢香をここに連れてきた俺も軽率だった。でも、まさかお前がこんな卑怯な真似をするなんて……」

真奈美はよろけながら体を起こし、力なく笑みを浮かべた。

「直樹、今分かったわ。あなたってただ薄情なだけじゃなくて、見る目もないのね」

直樹は声を荒げた。「真奈美!」

「何よ、何か間違いでも言ったかしら?」真奈美はそばにあった椅子を支えに立ち上がった。一歩踏み出すのも命がけだった。「彼女がそんなに好きなら、お幸せに。私はもう行くわ」

振り返らずに行こうとした彼女を、直樹は呼び止めた。「待て。そんな姿でどこへ行くつもりだ?運転手に送らせる」

「結構よ」真奈美は決して後ろを振り返らなかった。「私の生死なんて、気にしなくていいわ」

邸宅を離れると、真奈美はすぐさま110番にかけた。

「警察ですか。殺人未遂で通報します」

翌日の早朝、再び直樹が姿を現した。

「真奈美!どこまで事を荒立てるつもりだ?警察署なんて、絢香がいるべき場所じゃない。今すぐ告訴を取り下げろ!」

彼は真奈美の腕を強く掴んだ。あまりの力に痛みが走った。

真奈美は渾身の力でその手を振り払った。「証拠はもう警察にあるわ。私を信じないなら、法律に審判を下してもらう!」

「真奈美、証拠の捏造は犯罪だぞ!」直樹が声を荒らげて威嚇する。

「好きにすれば!」真奈美は一切引き下がらなかった。

彼女の固い決意を見た直樹は、声を潜めて最後の切り札を切り出した。

「上田のこと、どうなっても知らないんだな?彼女のデザインスタジオ、木村グループの契約が切れたら、どれくらい保つか自分で考えてみろ」

真奈美の体は強張った。氷のような視線を彼に浴びせる。

直樹の力を思えば、千佳をこの都市で無一文にすることなど、彼には容易いことだった。

長い沈黙の末、真奈美はついに折れた。「告訴は取り下げるわ」

……

警察署から出てきた直樹は、冷酷な目で真奈美を見下ろし、命令するような口調で言い放った。「絢香に謝れ」

真奈美は拳を強く握りしめ、爪が手のひらに食い込んだ。

千佳を守るために、彼女は頭を下げざるを得なかった。「ごめんなさい」

絢香はすぐさま歩み寄り、わざとらしいほどの寛大さで手を取った。

「大丈夫ですよ、真奈美さん。そんなつもりじゃなかったのですね。次は気をつけて、本当に怖かったんですから」

直樹は愛しそうに絢香を抱き、背を向けて去っていった。

夕方、直樹から電話がかかってきた。

「白石グループの融資が正式に決まった。今夜9時、指定のレストランに来てくれ。絢香にもすべてをはっきりさせて、これからはもう彼女と一切関わらないと伝えるつもりだ」

真奈美は行きたくなかったが、絢香の敗北に歪む顔を想像して、行くことに決めた。

レストランに着いた時、絢香はまだ来ていなかった。

直樹は牛肉スープを取り分けて彼女の前に差し出した。その声音はすがるようだった。

「すべて終わった。今までひどいことをして、すまなかった」

目の前の料理を眺めながら、真奈美はどうしても問い詰めたい衝動に駆られた。

「直樹、あなたは本当に私のことを愛していたことがあるの?」

スプーンを持った直樹の動きが止まる。答えは沈黙だった。

「実はね、私、牛肉って苦手なの」真奈美は自嘲ぎみに笑ったが、目元は涙で潤んだ。「昔、家で何度も牛肉スープを作ったのは、あなたが好物だと言ったからなの」

直樹の表情にようやく焦りの色が浮かび、彼は慌てて視線を逸らした。「すまない。次は……次からは絶対に間違えない」

「次は?」真奈美が微笑むと、涙が零れ落ちた。「でもあなたは、白石の好みなら全部完璧に覚えているでしょ?

香辛料は苦手で、コーヒーには砂糖二杯。彼女が何気なく口にしただけのブランドさえ覚えていて、いつもプレゼントしていたものね。

愛の在処を知るには、相手が何に時間と心を使っているか見ればいいって本当だわ。

あなたは最初から、私に少しも心を向けてなんていなかったのよ」

言い終わると、真奈美は立ち上がりその場を後にした。

絢香が今日ここに現れる可能性は低いと、彼女には分かっていた。

あの女が、自ら不利な立場に立つような真似をするはずがないのだ。

だが店を出て間もなく、角の暗がりから大柄な黒ずくめの男たちが飛び出し、真奈美を強引に車へ押し込もうとした。

首筋に走る衝撃と激痛の中、視界が闇に覆われ、彼女の意識は完全に途絶えた。
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