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第26話

Auteur: アカリ
日和は妊娠していなかった?

医師の言葉を聞いて、翼は頭が真っ白になった。

「まあまあ、先生。そこをなんとかお願いしますよ!」

診察室では、日和がまだしつこく食い下がっていた。その口ぶりは、悪びれる様子もなく軽々しい。

「なにも悪いことをするわけじゃないんです。ただ、彼氏と結婚したいだけなんですよ。

彼の元妻はもういなくなったし、あと数ヶ月彼を騙し通して、うっかり流産しちゃったって言えばいいだけです。誰にもバレませんって!

お願いしますってば。私のこれからの人生がかかってるんですから!」

翼は、ぐっと拳を握りしめた。

これが、真実だったのか?

クズ男に捨てられた未婚の妊婦なんて話も、親に勘当されるなんて境遇も、全部嘘っぱちだった。

最初から最後まで、すべてが芝居だったのだ。

日和が、凛菜を追い出してその座に収まるために、周到に仕組んだ真っ赤な嘘だった。

それなのに、トップクラスの弁護士である自分が……

まるで馬鹿みたいに、こんな女の手のひらの上で転がされていたとは。

存在しない子供のために、7年も連れ添った妻を捨てた。

嘘ばかりつくこの女のために、自らの手で
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