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陽さんΣ(oДo;;)4

작가: 相沢蒼依
last update 게시일: 2026-02-03 16:40:36

「陽さん、俺の顔が陽さんになってない?」

「寝ぼけてるのかよ、雅輝は雅輝だって」

「良かった~。もとに戻ったんだ」

触れられている橋本の手をぎゅっと握りしめながら、思う存分歓喜した。

喜び勇んだ宮本に呆れながら説明を求めた橋本に、夢の中の出来事をぽつりぽつりと話して聞かせる。

「俺になった気分は、そんなに最悪だったのかよ?」

喋っているうちに落ち着いた宮本を、布団に入り直した橋本が腕枕をして抱きしめた。密着する素肌から伝わってくる熱が、とても心地よく感じた。

「最初は喜んだよ。『わーい、陽さんになっちゃった』っていう調子で小躍りしたあとに、隣で寝てる自分の姿を見て、思いっきりショックだった」

「ショック?」

「そう。自分相手に、いかがわしいことができないでしょ」

「ああ、確かに。ヤル気がみるみるうちにダウンするな」

「それとね、陽さんの躰が前夜の行為でボロボロになってるのを、身をもって思い知った」

「どんだけボロボロだったんだ、俺の躰……」

見るからにつらそうな表情を浮かべた宮本に、橋本は微苦笑する。

「これからは大事にするよ。短期回数勝負にする!」

「それってさ結局のところ
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  • BL小説短編集   第12章:初めてのデート、ふたつの景色2

    *** お互い、まだぎこちない名前呼びに照れながら向かった先は、駅近くの映画館。日曜の街に溶け込むように歩く中、歩道の並木からは赤や黄色の葉がひらひらと舞い降りてくる。氷室はさりげなく、背の低い俺の歩幅に合わせてくれた。落ち葉の影をふたりで踏みしめる音が、やけに心に残った。 カウンターでチケットを受け取り、ロビーのざわめきを抜けてスクリーン前へ。ふたりで選んだのは「全米が泣いた」という触れ込みの感動作だった。 座席に並んで腰を下ろすと、氷室がそっと肘掛けを譲るように寄せる。ほんの小さなさりげない気遣いが、胸の奥にじんわりと沁み込んでいった。 照明が落ちて、スクリーンに映像が流れはじめると、ふと文化祭のあの日を思い出す。(――あのときもふたり並んで、ステージ上の大型スクリーンを見たっけ) 俺がアイデアを出してから、氷室と準備に奔走した日々と、本番を終えたあとの達成感。あのとき感じた「一緒にやり遂げた」という誇りが、普段ドジばかりやらかす俺に、勇気を与えてくれた。氷室に想いを告げるその一歩を踏み出せたのは、間違いなくあの瞬間があったからだ。 物語が静かに進んでいく中、何気なく横を見ると、氷室がスクリーンではなく俺の顔を見ていた。そのまっすぐな視線に、思わず息を飲む。「……奏」 薄暗がりの中で、氷室の唇が確かにそう動いた気がした。「……蓮」 俺もそっと、名前を呼び返す。次の瞬間、どちらからともなく肘掛けの上で手が触れ合い、ゆっくり重なった。それはあたたかくて、すごく優しくて。指先が少しだけ震えているのを感じて、相手も同じように緊張しているんだとわかって――胸の奥がさらに熱くなった。言葉はなくても、それだけで充分だった。 ふたりでほほ笑み合い、またスクリーンへと視線を戻す。手のぬくもりを感じながら、心地よく映画を楽しんだ。 上映が終わっても、まだ時間はたっぷりあった。帰るには早すぎる――そんな気持ちが通じ合ったのか、自然と足はカフェへと向かった。 少し遅めの昼食。白いテーブルを挟んで向かい合いながら、ほっと一息ついた。氷室が差し出してくれたカップからは、ほんのりと紅茶の香りが立ちのぼる。 手に取って、そっと一口。「……蓮、美味しいね」 そう言うと氷室は照れたように、けれどどこか嬉しそうに頷いた。交わす言葉は少ないけれど、その一つひとつが

  • BL小説短編集   第12章:初めてのデート、ふたつの景色

    日曜日の朝。うっすら曇った空の下、駅前にはひんやりとした風が吹いていた。街路樹のイチョウは昨日よりも落ちていて、舞い落ちたたくさんの葉が足元に転がっていく。 秋が深まる気配に包まれながら、俺は胸の鼓動ばかり気にしていた。待ち合わせ時刻の九時半が近づく中、そわそわしながら、駅前にあるモニュメントの前に突っ立っていた。(てっきり、時間厳守の氷室が先に来てると思ったのに、俺が待つ側になるなんて……それってなんか新鮮だけど、めちゃくちゃ緊張するじゃないか!) 手にしたスマホを何度も見直しながら、指先の微かな震えに気づいてしまう。そのたびに髪を直したり、服の裾を引っ張って整えたりして、どうにも落ち着かない。 どうせ、氷室みたいにキマらないってわかってるのに、それでも今日は、少しでもよく見られたかった。「……ああ靴も、もうちょっとマシなのにしてくればよかったかも」 履き慣れたスニーカーの汚れを気にした、そのとき。背後から静かな足音が近づき、思わず振り返る。「──おはよう、か、奏……」 そこには、少しカジュアルな服装の氷室が立っていた。グレーのシャツに、羽織ったジャケットがよく似合っている。その表情には、僅かな照れと期待が入り混じっていて、見慣れた“完璧”とは違う柔らかさがあった。(おいおい、ちょっと待ってくれよ。制服姿とはまた違う、格好よさが氷室から漂っているだけじゃなく――)「おはよう、氷室……あのさ、今、俺の名前――」 いつもは「葉月」と名字で呼んでいたのに、いきなりの“奏”呼びに心臓が一瞬で跳ねた。「ふたりきりのときは、名前で呼んでもいいかと思ったんだ。もしかして……嫌だったか?」 少しだけ視線を外して言ったその声に、俺は即座に首を横に振った。「全然イヤじゃない! ちょっとビックリしただけだから!」 友達に名前を呼ばれるのと、氷室に呼ばれるのとじゃ、響きがまるで違う。ものすごく特別に感じることができた上に照れすぎて、パニック寸前だった。「だから奏も、俺のことを名前で呼んでほしい」 不意打ちみたいなお願いをされてしまい、頭の中が発狂しそうになる。(しかも、ちょっと上目遣いなんてされたら——絶対に逃げ場がないだろ……)「えっ……れ、蓮……っ?」 声が裏返りそうになるのを必死で抑えて、ようやく出てきたそのひと言に、氷室はふっと笑った。

  • BL小説短編集    第11章:小さな約束、大きな明日へ

    文化祭が終わって、一週間ほどが過ぎたある朝。教室はすっかり日常を取り戻していたけれど、ホワイトボードの上に残された文化祭の準備をしている様子の写真と、本番で笑顔を見せるクラスメイトの写真が、あの特別な時間を静かに思い出させてくれる。 いつものように席に着いて、ペンケースを開けたとき。見慣れた筆跡の小さな付箋が目に留まった。【葉月、ドジするなよ。今日もファイトだ。ずっと応援してる 氷室】 それを読んだ瞬間、胸の奥がじんわりとあたたかくなる。たったひと言なのに、それだけで少し背中が軽くなった気がした。 昼休み、今日も俺のクラスで氷室と並んで弁当を食べていたら、林田がニヤニヤしながら近づいてきた。「奏、最近さ、なんか雰囲気が変わったよな」 「えっ、なんで?」 「顔、ちょっと照れてるっていうか……なんかしあわせそうっていうかさ」 その言葉にドキッとしてしまい、ごまかそうとしてお茶を飲んだのに、タイミング悪くむせてしまう。林田は笑いながら、背中を軽く叩いてきた。「おいおい、大丈夫か?」 「だ、大丈夫……。でも、しあわせそうっていうのは、あながち間違ってないかも」 口元を拭きながら、氷室に視線を送る。彼は驚いたように目を見開き、それから慌てて横を向いた。その耳が赤く染まっているのがちらりと見えて、思わず笑みがこぼれた。 放課後。生徒会の会議がある氷室を待ちながら、校庭のベンチでスマホをいじっていた。空がだんだん金色に染まって、街路樹のイチョウが夕陽に透けて揺れている。秋が深まるたびに、俺たちの時間も新しく色づいていく気がした。「氷室、まだかな……」 小さくぼやいた瞬間、隣にすっと誰かが座る気配がした。「うわっ、びっくりした!」 「待たせたな。遅くなってすまない」 「い、いや、全然大丈夫……」 不意に距離が近づいたことに、心臓が跳ね上がる。顔が熱くなるのを感じて、慌てて俯いた。「葉月、あのさ……映画、見に行かないか?」 「え、映画?」 「来週の日曜。もし予定が空いてたら、一緒にどうかと思って」 その声はどこか緊張をはらんでいたけれど、でも優しかった。秋風がふたりの間をくすぐるように、ふんわりと吹き抜ける。「映画か……いいね。それってつまり、“ふたりだけの約束”ってやつ?」 小さく笑って言うと、氷室も少し照れながら頷いた。「ああ

  • BL小説短編集   第10章:君と、同じ景色の中で

    文化祭が終わり、振替休日を挟んだ週明けの水曜日。教室は文化祭の喧騒が嘘のように、静けさが戻っていた。黒板に残ったチョークの痕や、廊下に置き去りにされたままの装飾箱が、あの非日常をほんのりと残している。 俺は窓際の席に座って、ぼんやりと校庭を見下ろした。秋の空気が少し冷たくなりはじめた今朝、文化祭前に見た入道雲はもうどこにもなく、代わりに澄んだ青空が一面に広がっていた。(文化祭の日のこと……夢じゃなかったんだよな――) 文化祭のステージ裏、氷室と目を合わせて握り合った手のひら。そして、お互い照れながら交わした言葉。あのとき見せてくれた氷室のほほ笑みが、胸の中で静かに響き続けている。「葉月」 名前を呼ばれて振り向くと、隣のクラスの氷室が教室に入ってきたところだった。目が合うだけで、心臓がドキッと跳ねる。「氷室……おはよう」 「おはよう」 「今日の昼、一緒に……どうだ?」 それだけの会話なのに、妙に嬉しかった。「うん、いいよ。ここで待ってる」 昼休み、俺たちは教室の端で並んで弁当を広げた。すぐ傍では林田たちが騒ぎながら、スマホゲームの話をしている。 氷室とこうして並んでいると、なんだか緊張してしまって、箸を動かすばかりで言葉が全然出てこない。沈黙が嫌なわけじゃないけど、少しだけくすぐったさを感じた。それは俺だけじゃなく、氷室も微妙な表情で箸を動かしている。 黙々と弁当を食べ続ける俺たちを余所に、黒板の傍で弁当を食べているクラスメイトたちが大きな声をあげた。「そういえば、あのVチューバーの子、文化祭のあとフォロワーがすごい伸びたらしいな」 「えっ、マジで?」 「ああ、昨日の配信の切り抜きがバズったみたいで」 そんな声が耳に聞こえてきて、俺はふと氷室のほうを見た。彼も同じ話を聞いていたらしく、小さく頷く。「葉月……君の提案、正解だったな」 「うん。でも氷室が俺のアイデアを信じて、たくさん動いてくれたおかげだよ」 ふたりきりで交わす小さな会話。そのすべてが、今の俺には宝物みたいだった。 放課後、昇降口で靴を履き替えようとしたとき、走ってやって来た氷室が俺の名前を呼んだ。「葉月、帰り道……一緒にどうだ?」 一瞬で体温が上がるのがわかった。隣にいた林田が「おっ!」とニヤつくのを横目に、俺は慌てて頷いた。「う、うん! いいよ!」

  • BL小説短編集   第9章:スクリーン越しの約束

    文化祭当日。体育館のステージは満員の観客で埋め尽くされ、スポットライトとスクリーンが交差する中央には、彼女——Vチューバー・“ユウ”が映し出されていた。『皆さん、こんにちはっ! 画面の向こうから、あなたの心にアクセスするVTuber、ユウです!』 その声に、観客たちの拍手が一斉に巻き起こる。スクリーンの中の男性アバターは笑顔で両手を振り、画面を通じて会場との対話をうまいこと続ける。 アバター越しのはずなのに、まるで生身の人がそこにいるような迫力とぬくもりを感じた――会場がひとつに包まれた瞬間だった。「……すげぇな、マジで」 ステージ脇でその様子を見守りながら、思わず声を漏らした。あのとき咄嗟に閃いたアイデアが、こんなにも人を笑顔にするなんて——それは想像以上だった。「葉月……」 肩をぽんと叩かれて、視線がふと横へ滑った。振り返ると、そこには氷室の穏やかな笑顔があった。体育館の照明が彼の輪郭を柔らかく照らし、今日はいつもより表情が穏やかに見えた。「君の提案が、あのステージを成功に導いた。どうもありがとう」 「いや、俺だけじゃないよ。あのあと氷室がたくさん動いて調整とか、いろいろしてくれたから、こうして大画面でユウを見ることができて……」 うまく言葉が続かなかった。言いかけた感謝も感情も、うまく形にできずに口の中で溶けていく。気づけばステージは最後の挨拶へと入り、ユウの声がスクリーン越しに響いた。『今日の出会い、絶対に忘れません。いつかまた、どこかでお会いしましょう!』 盛大な拍手と共に、ゆっくりとスクリーンが暗転する。祭りの熱が、ひとつの終わりを迎えた。 たくさんの観客が去り、片付けがはじまる頃。俺と氷室はふたりきり、ステージ裏の一角で装飾を外していた。静かになった空間で、氷室の横顔を見つつ小さく呟いた。「氷室さ、今日……どうだった?」 布を畳みながら投げたその問いは、ただの感想を聞く言葉じゃなかった。もっと深く、心の奥を覗き込むようなものになる。 氷室は少しだけ手を止めて、ゆっくりと答えた。「そうだな……すごくやりがいを感じたし、とても楽しかった。君と一緒に準備して、君のアイデアでみんなが笑って。それが、なにより嬉しかった」 その言葉が胸に響いて、心臓が高鳴るのを止められなかった。「……そっか。それを聞けてよかった」 俺は

  • BL小説短編集   第8章:背中合わせの想い2

    *** 文化祭の非常事態に、俺は急いでスマホで検索をかけて、代案を自分なりに組み立てはじめた。画面越しに並ぶ文字列を眺めながら、隣に座る氷室の視線がじんわりと肩に感じられる。「氷室に言うのが、ちょっとだけ恥ずかしんだけど……俺さ、推しのVチューバーがいるんだ」 思いきって告げながら横目で隣を見たら、氷室が僅かに眉を上げる。「ぶいちゅーば?」 その棒読みっぽい発音で、彼がVチューバーのことがわからないのが決定した。どうしたもんかなと考えて、無言で氷室を眺めると、目を瞬かせて小首を傾げる。なんだか、その表情がちょっとだけかわいく見えて、胸がくすぐったくなった。「氷室、Vチューバーってのは、アバターを使って動画配信とかライブ配信をする配信者のことなんだ。で、俺の推しがこの人」 そう言って、俺はスマホの画面を氷室のほうに向けた。そこには、クール系の男性アバターが映っていた。「……男性なのか?」 「いや、アバターは男だけど、中の人は女性なんだよ。しかも両声類で、男の声も女の声も出せるっていうすごい人でさ。まだそんなに有名じゃないんだけど、これから絶対に伸びる配信者だと俺は思ってる」 語っているうちに、気づけば言葉に熱がこもってしまった。でも俺の様子に氷室は引くこともなく、静かに聞いてくれた。それどころか、さっきまで青ざめていた顔に、ほんの少しだけ色が戻っているではないか。「なるほど……。それで、その人にライブ配信を頼もうと?」 「うん。文化祭で予定してたお笑い芸人が来られないのなら、その代わりにこの人をゲストに呼べば、きっと盛り上がると思ってさ。スクリーンに映して、リアルタイムで配信をしてもらえば……ね?」 話しながら氷室の肩に置いていた自分の腕に、そっと重みがかかる。……氷室が、少しだけ寄りかかってきていた。 窓の外は夕陽が傾きかけていて、赤や橙に染まった光がカーテンの隙間から差し込み、俺たちを包む。グラウンドの木々は、風に揺れるたびに黄金色に染まった葉をひらひらと落とし、文化祭前のざわめきとは別の静けさを運んできた。 体温と体温が触れそうな距離に、鼓動がやけに大きく感じられる。秋の冷たい空気の中で、そのぬくもりは思いがけないほど心地よくて——。「……うん。おもしろいな、それ」 氷室は小さく呟いてスマホを自分のポケットに戻し、顎に指を当て

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