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陽さんΣ(oДo;;)3

Penulis: 相沢蒼依
last update Tanggal publikasi: 2026-02-03 05:39:02

(陽さんさすがだなぁ。微妙な違和感からインプの異変を感じとれるところを、ぜひとも見習わなくちゃ!)

『この間の、潮吹きさせたこともそうだ。俺を感じさせたい気持ちは分からなくもないが、ほどほどにしてくれないと壊れるぞ』

「はーい、ごめんなさいです」

『最近の雅輝は、手加減をしなさすぎる。この躰と変わってほしいくらいだ』

そんな橋本の望みを聞いた神様か仏様が、宮本と入れ替わりさせた――。のか?

「オーマイガー! 南無阿弥陀仏! ごめんなさい、本当にごめんなさいっ! これからは陽さんを大事にしながら、大切に取り扱いいたします、多分……。いや絶対に! だから、もとに戻してくださいましぃ」

持っていた手鏡を戻し、崩れるようにその場にしゃがみ込むなり、あちこちにいるであろう神様仏様に拝み倒した。

すっかり弱りきった顔でトランクス一丁のまま、ぺこぺこ土下座する橋本の姿が格好悪いことを、宮本は知らなかった。

「どうした雅輝、大丈夫か?」

騒々しい宮本の声で起きたのか、ベッドで寝ていた橋本が起きあがり、心配そうな眼差しで見下ろしてきた。

「あれ?」

聞き覚えのある声に、よろよろと頭を上げてベ
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    *** スラックスのポケットに手を突っ込んでマンションの鍵を探りつつ、仕事で疲れた躰を引きずりながら通りを歩いていると、その存在にすぐに気づくことができた。合鍵を渡しているのに、なぜだかマンション前で星を見上げている恋人を目の当たりにして、橋本は慌てて駆け寄る。「雅輝、どうした? 鍵を失くしたのか?」 橋本のかけた声に反応して振り向き、靴音を立てて駆け寄るなり、掻っ攫うように抱きつかれた。「おいおい。鍵を失くしたくらいで、俺は怒らないって。また作ればいいだろ」 骨が軋むくらいの強い抱擁に呆れながら宥めてみたものの、宮本は橋本の肩に顔を埋めて、一向に喋ろうとしない。「雅輝?」 昼間逢ったときとは一転した様子に、橋本はありえそうなことを考えてみる。思い当たるフシは、一つしかなかった。「おまえ野木沢と、なにかあったのか?」 野木沢というワードが出たタイミングで、宮本の躰がビクついた。「図星か、めんどくせぇな」「ごめんなさい、俺は」 放り出すように橋本から手を放した宮本は、俯いたまま後退りして距離をとる。それを引き留めるために橋本は手を伸ばして、宮本の右手を掴み寄せた。「違うって。めんどくせぇのは雅輝じゃない。野木沢のことさ」 通りに誰もいないのをいいことに、掴んだ右手をさらに引っ張り、近寄った宮本にキスをした。触れるだけで終わらせようとしたのに、橋本の後頭部を掴んだ宮本が、これでもかと深く口づける。「んうっ……」 橋本の甘い声を聞いて、宮本から唇を外した。「陽さん、俺ね、俺は」「俺は雅輝が好きだ」 宮本の言葉を遮った橋本のセリフに、宮本の瞳がゆらりと揺らめく。不安をかき消すような内容だったからか、目の前の顔から困惑の色が消えていった。「陽さんには敵わないな……」「伊達に年食ってるわけじゃねぇってことさ。とりあえず話は、家に帰ってからするか」 橋本は宮本の利き手を掴んで歩き出そうとした。それなのに、引っ張る力を無にするように立ち竦む。「雅輝、これ以上手をかけるなって」「話し合う前にそのぅ……、むぅ」「なんだ? 早く言えって」 ぐいぐい引っ張ったら、やっと歩き出した宮本。引きずられるように歩きながら、ぽつりと呟く。「陽さんとエッチがしたい……」 蚊の鳴くような小さな声に反比例して、橋本の頬がぶわっと赤く染まったのだった

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    「は?」 呆けたようにきょとんとした宮本は、口を半開きにしたまま、野木沢をまじまじと見つめる。「ずっと忘れられなかった。逢えなかった間も、いつもアイツを思い出してた。でもさっき逢ったら、諦めていた想いが再燃して……」「再燃、え…っとそれは、鎮火する見込みは――」 間の抜けた質問を投げかけていことがわかっていたが、問わずにはいられなかった。「嘘ですよ」「へっ?」「宮本様が大切にしてる橋本を、僕がとるなんてありえませんよ。脅かしてすみません」 丁寧に頭を下げて詫びる野木沢に、「そうですか、びっくりした」なんていう言葉と、のんきすぎる対応をする。短い間のやり取りだというのに、精神の疲労が半端なくて、今すぐにでも家に帰りたくなった。「橋本とまたご来店する日を、お待ちしております」 野木沢は頭をあげるなり、営業スマイルで宮本を見据える。自信満々の笑みを目の当たりにし、目を瞬かせながら取り繕うような笑顔を見せた。「はいぃっ、陽さんとそのうち顔を出しますね。失礼します!」 ぺこりとお辞儀をしてから、そそくさと逃げる感じで店をあとにした。 胸元をぎゅっと握りしめて、デコトラを停めてある駐車場に向かう。着ているシャツが、汗でじっとり湿っていた。(あの様子は野木沢さんが、冗談を言ってるように思えなかった。どうしよう、陽さんの好みっぽい彼が迫ったら、心変わりするかもしれない。だって俺は陽さんの好みと、かけ離れているから――) 心が押し潰されそうになりながらも、午後からの仕事をなんとかこなした。早く仕事を終わらせて、橋本が住むマンションに行くことを目標にしたお蔭で、いつも以上に手際よく仕事をこなせたのだった。

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    自分から遠慮せずになんでも言ってくれと告げた手前、答えにくいことを問いかけられても、返事をしなければならない状況に追い込まれて、宮本の頭の中がぶわっと混乱した。「よ、陽さんに取り入ってなんて、そんなんじゃなく……」「橋本は簡単に落とせる男じゃないことはわかってる。だから、橋本の好みとは離れてる君と付き合っているというのが、不思議でならなくてね」「えっと、なんていうか、粘り強く交渉したみたいな感じで。むぅ……」 後頭部をバリバリ掻きながら、どうやって説明したらいいか困惑する宮本に、野木沢は真顔のままサラリと告げる。「自分の躰を提供したとか?」「ひっ! そんな大胆なことは、俺にはできませんっ」「僕はしたよ。橋本に頼んで抱いてもらった」 突然のカミングアウトに、宮本の顔が凍りついた。 さっきまで考えていたことが粉々に砕け散り、見る間に真っ白になる。アホみたいに口をパクパクさせるのが精いっぱいで、まったく言葉にならなかった。「とはいえ学生時代のことだから、かなり前のことだけどね。橋本自身決まった相手がいない状態だったし、僕を抱くなんて簡単だったのかもしれないけど……」「野木沢さんは、陽さんのこと――」「好きだったよ。抱かれた当時は、すごく嬉しかった……」「そう、ですよね、やっぱり」 橋本がいなくなってから、野木沢の態度が豹変したことについて、一応納得した宮本だったが、今カレとしてどんな対応をしていいのかわからず、視線を右往左往させる。(陽さんが江藤ちんと対峙したあの日、そのときの陽さんの心情を慮れなかった俺って、すっごく最低だったかもしれない。過去のこととはいえ、こんなに妬けるなんて、思いもしなかった) 彫像のように硬い表情の宮本を見て、野木沢はいたわるようにそっと話しかける。「すみません。昔の話を持ち出して、宮本様の気分を害してしまって」「やっ、だっ、大丈夫です。陽さんがモテるのは、わかっていたことですし」 宮本は必死になって、たどたどしい口調でなんとか対応する。なんともいえない嫌な汗が、背中に流れるのを感じた。「お優しいんですね」 野木沢は相手が戸惑うような曖昧な笑みを浮かべて、宮本に向かって微笑む。「それほどでも……」 妙な笑みを目の当たりにして、自分も愛想笑いをすべきか悩んだときだった。「その優しさに、甘えてしまい

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     野木沢が説明しようとした瞬間に、店内に聞き慣れたアプリの着信音が鳴り響いた。瞬間的に宮本は寂しい顔をする。それは橋本との逢瀬を邪魔する、嫌な着信音だった。「ゲッ! もう呼び出しかよ。指定された時間よりも、ずいぶんと早いじゃねぇか……」 橋本はげんなりした表情でスマホを見、宮本と野木沢に頭を下げる。「悪い、これから仕事に戻る。詳しい打ち合わせは、後日改めてでいいか?」「俺は構わないっす。元はと言えば、俺が遅れたのがいけなかったんだし。気にせず、仕事に行ってください」「なんだか、仕事のできる男って感じだな。店はしばらく安泰だから潰れることはないし、いつでも打ち合わせができるから、安心して行ってこい」 名残惜しそうに視線を飛ばす宮本と、右手を振って見送る野木沢に見送られて、橋本は店をあとにした。「橋本ってば、学生時代と変わらないな。慌ただしさそのまんま……」「そうなんですか」「ええ。本人自分の格好良さに無自覚だから、人気があったことすら気づかずに、友達にお節介ばかりしていたんです。そういうことをしていたら、必然的にモテるっていうのに」 野木沢のセリフに、宮本は言い知れぬ引っかかりを覚えた。「やっぱり陽さんって、学生時代からモテたんですね」「モテていたけど、橋本の好みの煩さもあったから、付き合っていたのは限られていたけどね」「あー、陽さん面食いだから……」 頻繁にハイヤーを使う客で、橋本の友人でもある榊の顔を思い出しながら口にすると、野木沢は頬に浮かべていた笑みを消して、宮本の顔をじっと見つめた。「橋本の趣味、知っているんですね」「えっと、はぁ……。それなりに」 目踏みするような野木沢の視線を受けて、居心地の悪さをひしひしと感じていたら、目の前にある顔が横を向く。橋本と同じように整った顔立ちをしている野木沢は、マネキンのように無表情で、何を考えているのか、宮本にはさっぱりわからなかった。「宮本様はお客様ですけど腹を割って、話をしてもよろしいでしょうか?」「俺はかまいませんので遠慮せずに、なんでもおっしゃってください!」 丁寧な口調の中から、妙なアクセントを置かれたせいで、野木沢の心情を宮本は素早く悟り、必死に口角をあげて笑顔を浮かべる。だがその笑みは無理して作ったせいで、あからさまな愛想笑いになってしまった。「橋本の好みじゃない

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    「結婚したいと思った女性に逃げられた反動で、サラリーマン辞めてさ。今はハイヤーの運転手をしてるってわけ」 憐れむ視線を野木沢に注がれたせいで、参ったなぁと思いながら、過去の出来事をぽつりぽつりと語った。あえて榊のことを隠したのは、橋本の中で深いキズだったから。 一応笑って語れるネタを振ってみたというのに、野木沢はどこか暗い表情をキープしながら、淡々と口を開く。「お互い、いろいろあったんだな」「だけど今は幸せだ。アイツのお蔭で――」 微笑む橋本を見て、野木沢もやっと笑みを浮かべた。「なんだかな~。橋本にそうやって惚気られると、仕事を恋人にしてる僕が、不幸みたいに思えてくるだろ」 互いに目線を合わせて笑ったそのとき、店の扉が大きく開かれた。「すみませんっ、あの!」 息をきらして入店した宮本を、ふたり揃って出迎えた。「いらっしゃいませ!」「相変わらず遅刻とは、期待を裏切らねぇよな雅輝は」「午前中の仕事が押してしまって。陽さんは早めに来ていたんですよね? 待たせてしまって、ゴメンなさい」「大丈夫だ。ちょうど世間話に、花が咲いたところだったし。な、野木沢」 親しげに話しかけた橋本に、野木沢はにっこり微笑みながら、小さく首を傾げた。「まぁね。橋本のデレた顔が拝めるとは、予想外だったよ」「あの、おふたりって――」「野木沢とは、中学高校の同級生なんだ。15年振りの再会ってわけ!」 野木沢と見つめ合う、橋本の様子を目の当たりにして、宮本は微妙な笑みを唇に湛えた。 たじろぐ宮本の様子を察し、野木沢は指輪のコーナーのショーウィンドウをさし示しながら、丁寧に説明をはじめる。「さっそくなんですが今回はお揃いの指輪を、当店でご購入するとのことでしたが」 ニッコリ微笑んで、ところどころにアクセントを置きながろ喋る、商売上手な野木沢らしいセールストークに導かれて、宮本は橋本の隣に並んだ。互いに顔を突き合わせつつ、ショーウィンドウの中にある、たくさんの指輪を眺めた。 店内の照明を受けて光り輝く指輪を、隅から隅まで眺めるうちに、橋本が重たい口を開く。「う~ん。こうしてみるとパッと見、どれも同じに見える。雅輝はどうだ?」 顎に手を当てながら、なおもショーウィンドウの中を覗き込む橋本に、宮本は若干呆れながら話しかける。「確かにパッと見は、どれも同じに見え

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