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飛湍⑤/薄日①

Autor: 藍沢咲良
last update Data de publicação: 2026-10-19 15:33:24

「悠さんが私を好きだって言ってくれたのは…嬉しいです。でも私、気持ちの整理が出来ていなくて」

「焦らなくていいから。今は何も考えずに、大人しく俺に守られててよ」

悠さんに守ってもらえる程の価値が、今の私にあるのだろうか?このまま彼の優しさに甘えて、縋って良いのだろうか?

「どうして…?」

「ん?」

「どうして悠さんは、そんなに私を大事にしてくれるんですか?」

未だ私を全身で包み込む彼に問うと、自嘲気味に笑った。

「ただの独占欲だよ。美咲をあいつに取られたくない。他の誰にもね。俺以外の男と美咲に何かあったら俺、気ぃ狂うと思う」

「そんな事言ってもらえる程の価値が、自分にあるとは思えなくて」

「ある。俺は美咲を好きになったんだ。人を好きになるって、そんなもんだろ」

彼の顔がそっと近づく。触れるだけのキスをすると、茂みに当たる彼自身が硬くなった。

「悠さん、あの…」

「生理現象だから、しょうがない。気にしないで」

「この体勢で気にしないって、無理がありません?」

「…もう一回、してもいい?」

返事をする間も無く、噛み付くようなキスが降ってきた。

「きりつ!きをつけ!」

子ども達が両手を10
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  • Emerald   対面④

    「美和!こちら、黒瀬さんと、もうすぐ奥さんの美咲さん」黒髪ストレートの、姿勢の良い美人がこちらを振り返った。にこにこと会釈され、釣られて私もにこにこと会釈した。「黒瀬です。お邪魔してすいません」悠さんがよそ行きの丁寧語を使っているなんて貴重な瞬間だ。「お邪魔だなんて…いつも主人がお世話になっております」私もいつか、悠さんのことを主人って人前で言う日が来るのね。先にカウンターで頼んでいた生ビールと肉料理がテーブルに届いた。「おい誠、主人、だって。こんな可愛い嫁さん、どこで見つけたんだよ?」社交辞令だし、一ノ瀬さんの奥さんは確かに可愛らしい。でも、悠さんの口から他の女性を褒める言葉を聞くのは、ちょっと嫌かも。「高校の同級生だったんですよ。昔、話したことあったでしょ?」「え、あの、何年も引きずってた、その、彼女?」「ちょっ、黒瀬さん、引きずってた、とか…。はい、その、彼女です。彼女、中学校の先生やってて、修学旅行でこっちに来たときに、再会したんです」「そんなことあるんだな」「俺ら、運命なんで」慌てたり、顔赤くしたり、思いっきり惚気たり、見てて飽きない人だな。奥さんに至っては、慣れているのか、人前で抱き寄せられても構わずにそのままビールを飲んでいる。「中学校の先生か。俺の奥さん、小学校の先生やってるよ」悠さんの言葉に美和さんは顔を上げた。「小学校、ですか。今は私も小学校なんです。何年生です?」「人数のとっても少ない学校なので。一年生の算数とか2年生の国語とか、全学年の音楽と家庭科やってます」「えっ…沢山、ですね。時数とか、それでまわるんですか?」私の担当教科の多さに美和さんは驚いたようだ。「うちの学校、山奥で。全校で20人しかいないから、家庭科と音楽は2学年合同の複式なんです」「だからか…。私、4年生の少人数指導やってます」ずっとにこにこしてて、話しやすい人だな。「あの、修学旅行で東京に来てたって事は、その中学校はどちらだったんですか?東京ではないですよね」「S市って、わかります?」「S市…お隣です。私、鷺山に住んでるので」「えっ!私、S市の星ヶ丘中にいました」「S市の星ヶ丘中…あの、安達先生ってわかります?安達友香先生。今同じ小学校なんです」「えっ…黒髪ボブで、眼鏡掛けてます?」「そうです」「私、星中でご一緒し

  • Emerald   対面③

    お母さまの賛成は貰えた。でも賛成の理由がちょっと引っかかる。「家ではなく、悠さん自身を好きになった」は当たり前で。「和佳子さんの息が掛かっていない」というのは、私にはまだよく見えていない、黒瀬家の闇が垣間見えた。この家で、悠さんの存在は肯定されてるけど、お母さまと和佳子さんとお父さまの間には消えないわだかまりは確かにある。愛する夫に愛人作られて子どもまで産まれたらそれは仕方の無いことだろう。そしてその子どもを育てたのは、お母さまであるわけで。欲深くなってはいけない。私自身を認めさせようだなんて、そんな難問は黒瀬家にもっと慣れてからじゃないと無理だ。終始、笑顔の黒瀬家の方々だけど、和佳子さんの影はやはり隠せない。それでも、笑顔でもてなそうとしてくれていることは感じられた。お父さまとお兄さまは賛成も反対も言われないけど、このお母さまが賛成と言われれば賛成なのだろう。そんな空気を感じた。今日はひとまず反対されず、受け入れて貰えればそれでいい。受け入れて貰える理由は何だって良い。「もうそろそろ帰るよ。結構遠くから来て、美咲も疲れてるだろうし」「ああ。またゆっくり来るといい」悠さんが立ち上がると、それに続いて私も立った。「今度は是非ご両親にもご挨拶したいわ。お食事でもしましょう」「はい。両親に伝えます。今日は、ありがとうございました」軽く礼をして、玄関のドアを開ける彼に続いた。門が自動で開き、車が走り出した。走り出してすぐ、赤い外車とすれ違った。「間一髪、だな…」「え?」その声に悠さんの顔を見ると難しい顔をしていた。「今の赤い車。産みの母親の車だよ。俺が美咲を連れて実家に行っているのを家の誰かから聞いたんだな」「え?そんなこと、あるの」「あの家は、ある。黒瀬の母側についている使用人がほとんどだけど、情報が母親に漏れているということは、母親側の使用人もいるということだ。表面上は平和な家なんだけど、一歩中に入るとそこそこ魑魅魍魎なんだ。」「涼しい顔して魑魅魍魎とか言わないでよ…。悠さんは慣れているのかもしれないけど」「大丈夫。美咲は俺が守るから」私の顔を見て微笑んでくれるのは嬉しいのだけど。赤信号で停車中だから良いのだけど。ただ、私には刺激いっぱいの、寧ろ刺激あり過ぎな実家訪問だったのは間違い無い。その日は都内のホテルに宿泊することにして

  • Emerald   対面②

    不機嫌そうに悠さんが言うと、そのおばあさまはようやく私の存在に気付いたようだった。「まあ!こちらのお嬢さんが坊ちゃんの?可愛らしいお嬢さんだこと!私、ここに長年お仕えしております、トミ子と申します。ささ!皆様お待ちですよ!」「なかなか来ないと思ったら。トミ子さん、悠が来たらすぐ案内するよう言ったでしょう?」これまたお上品なマダムが。恐らく悠さんの育てのお母さまだろう。「初めまして。結城美咲と申します」「お待ちしてました。悠の母です。トミ子さん、話が長いわよ。さあ、行きましょう」姿勢良くスラっとした、映画に出てきそうな素敵な方だ。悠さんのお母さまとトミ子さんの案内で、応接間へと入った。立派な応接間に通された。社長の邸宅なのだから当然なんだけど、テレビとかでありそうな「社長の御宅訪問」みたいな番組で見たことあるような、あの、応接間だ。天井がシャンデリアの家に訪問するのは人生で2度目だ。1度目は水無瀬にいた頃に生徒の家庭訪問で通された応接間だった。その家も、やはりお父さんが社長だった。「失礼します。初めまして。結城美咲と申します」「こんにちは。そちら、お座りください」応接間にあるソファは複数箇所座れる所があって。そちらって、どちらですか?って聞きたくなるぐらいなんだけど。困って悠さんの顔を見たら、先に彼が座ったのでその隣に座った。「今日は、遠いところからありがとうね」「こちらこそ、お時間作ってくださり、ありがとうございます」悠さんの声を更に低くしたようなバリトンがよく響く。どこかで聞いた声かと思っていたら、居酒屋の大将と声がよく似ているのだった。ああ、面接みたい。いや、これは紛うことなく面接だ。それも、人生最大の。「悠は、その…あれだ。我が家の家庭事情は、聞いたかい?」「はい、悠さんから伺っております」視線を真っ直ぐに向けられ、黒目までじっと見つめられている気がする。権力者特有のものかもしれないけど、悠さんと付き合い始める前後にも、彼から同じ視線を受けたことがある。お父さん譲りの仕草なのだろうか。「それなら話は早い。会社は悠の兄の隼《はやと》が継ぐことも聞いているかい?」「はい」斜向かいのソファに座った、悠さんによく似た方が、お兄さんの隼さんなのだろう。目が合い、会釈をした。「悠と結婚しても社長夫人にはなれないが、それでも良いの

  • Emerald   理由⑥/対面①

    水はもう飲み干して、これ以上流れてくることは無いのに、口づけは終わらなかった。「ん…悠、さん…?」膨らみをそっと包まれる。先端を弾かれ、また甘い声が出る。肌に直接当たる彼自身が硬くなっているのを感じた。「待って…」「ん?何?」不機嫌そうに動きを止めた彼は、また唇を重ねようとした。「ねえ、待って!もう沢山、したでしょ?」「俺まだしたい」「私はお化粧落として、もう眠りたいの」「じゃあ、風呂に入ればいい」「え?」「お湯が溜まるまで、美咲の身体洗ってやるよ。隅々までな」言葉を失う私の手は、今度はお風呂場へと引かれていった。「ねえ、悠さん…私、もう、限界…」「しょうがないな。今日はここまでな。ベッドでは眠らせてあげるよ」言葉通り、本当に隅々まで身体を洗われた。素手で触られるのとは違って、ボディソープの滑りが加わると、また違った刺激に翻弄されてしまった。ぐったりと悠さんの鎖骨に頭を預ける。「悠さん、なんでこんなに元気なの…?」「美咲に言われたことが嬉しかったから、かな」ふにふにと私の双丘の感触を楽しむ悠さんの声に振り返ると、彼は破顔していた。その、少年のような笑顔が可愛くて、愛しくて。思わず彼の首に腕を絡めて頬に口付けた。一度では満足できなくて、頬に、首筋に、何度も。「美咲…俺、これでも我慢してるんだけど…」あっという間に硬度を取り戻した彼は私に立ち上がるよう促した。「ふう…」「美咲、その溜め息、何度目?」運転する悠さんは苦笑いだ。今日は遂に、悠さんの実家に挨拶に行く日で。手土産は彼のお母さんの好物を事前にリサーチしていたから、きっと大丈夫。パステルカラーのワンピースに、髪型はハーフアップにした。毛先は巻いていない。わかりやすい「彼の実家への挨拶」スタイルだ。「ガッチガチだな」「は…は、るかさんだって、うちの実家行った時はガッチガチだったよ?」「ガッチガチでも、俺はクリアできたからな」「いや我が家と悠さんのおうちとは、緊張度は訳が違…」「変わんないって。そんなに緊張するような家じゃ無いから大丈夫」何言ってんのこの人は。庶民の家と社長の家を一緒にしないで頂きたい。「あなたみたいな地味な子が付き合える子じゃない」悠さんの産みのお母さんの言葉は、棘のように、私をじわじわとずっと痛めつけていた。地味と言われても。

  • Emerald   理由⑤

    「は、るか、さん…」「ん…?」床に崩れ落ちそうな私の腰を手で支えながら膨らみの先端を味わっていた彼が顔を上げた。「早く…挿れて欲しい、です…お願い…」目を見開いた彼はまた唇を何度も重ねた。「早く、挿れてくれない、と…焦らされ過ぎて、私の身体、おかしくなりそう…」唇が離れた隙に言うと、横抱きにされた。「簡単には、挿れてあげない。俺の腕の中で、沢山、おかしくなればいい」眼先で囁いて唇を奪うと、彼は寝室に向かった。寝室のベッドに優しく降ろされた直後、身に付けていたものは全て引き剥がされた。全身にゆっくりと、でも丁寧に口づけを落とされる。口付けている間も敏感な箇所を攻め立てられて、何度か意識が飛んだ。さっきので、もう何度目なんだろうか。彼の立てるリップ音と、潤ったそこに触れられる度に聞こえる卑猥な水音。聴覚までもが性感帯になったようで、私の意識はどこかに行ってしまいそうだ。硬く屹立した彼自身に布越しに手を触れる。この、硬さが欲しくてたまらない。そんなことを思ってしまう私は、何てはしたないのだろうか。ピアノの鍵盤を触れるように、弱い音を出す時のようにそっと指先で触れる。何度も触っていると、更に硬くなった。「美咲…そんなこと、したら…」「欲しいんです、はやく…」悠さんの身に付けているものをそっと脱がせる。彼の裸体を目の当たりにして私の先端が硬くなったのを感じた。攻撃の手は止むことはない。快感に襲われる度に言葉を紡ぐことはできずに、壊れたラジオのように同じ文字の羅列しか口にできない。ぼんやりした意識の中、彼の胸に手を伸ばした。 そっと、愛しい人の胸の先端に手を触れた。「…っ…!」悠さんの顔が一瞬歪んだ。「きもちいい、ですか…?」その直後、熱く硬い彼の質量を感じた。激しい律動に、頭がくらくらする。荒い息遣いと、喘ぎ声と卑猥な水音だけが聞こえる。自分の声なのに、喘ぎ声は違う誰かの声のように聞こえる。私の意識は、最早自分の体内には無いようだ。愛しい彼にしがみついて、ただ腰を振って喘ぐだけの生き物を、私の意識は冷静に見ていた。何度も達して意識を手放しても尚、彼の律動が私の意識をこちらに呼び戻す。その硬さは変わることなく、それどころか更に硬度が増した。繋がっているそこで増した硬度に気付いた私は、また達してしまった。時折、悠さんが掻き回すような動

  • Emerald   理由④

    慌ただしくお会計を済ませ、店を出る。店を出る直前、悠さんが少し不満げな顔をしていたのが気になるけど。白井先生は地元の人しか出さないであろう、公には言えない速度で車を飛ばし、無事時間内に職員室に戻ることができた。「なあ美咲」夕食を終えて食器を片付けていた。スポンジに洗剤をつけて洗い始めた私を腕で包むこの体勢は、何度言ってもやめてくれない。本当に食器が割れないと彼はやめないだろう。あれから音楽準備室の整備をしていた。柿小の音楽準備室には和太鼓が大量に鎮座している。地域伝承の太鼓に全校で取り組んでいる為だ。それ故、本来音楽の授業で使用する楽器は音楽準備室の隅に申し訳程度に収納されている。まず、どの楽器がどこに収納されているのか。それを把握するところから始めた。一学期の音楽の授業は、音楽準備室に入りきらなかったマリンバやビブラフォン、子どもたちが持参したリコーダーや鍵盤ハーモニカで事足りていた。「悠さん、いつも言ってますけど。毎日言ってますけど。この体勢、食器洗いずらいです」「美咲、俺と結婚する決め手、何だったの?」白いお皿がつるりと私の指を滑る。「わっ」反対の手で制止して、何とか割れるのを防いだ。「悠さん…」「ねえ、何だった?」耳元で囁くように問う彼の吐息が耳に当たる。洗い物の途中だというのに、力が抜けてしまう。声が漏れそうになるのを何とか堪える。「早く答えないと、もっと触るよ…?」サマーセーターの裾から悠さんの大きな手が侵入した。下着の上から、いつもよりゆっくりと揉みしだかれて、|焦ったい。先端が硬くなるのを感じた。でも今日は、なかなか触ってもらえない。「ね、悠さん…食器、洗えない…」「なあ、早く言いなよ」彼の反対側の手がスカートを捲り上げて内腿を執拗に撫でる。そこから手が上に移動することは無い。なのに、お尻に押し付けられている彼自身は硬く、下腹部の奥が疼き出す。それでも少しずつ食器洗いを進める。通常の、何倍もの時間をかけて。その間も悠さんの攻撃が止むことは無かった。吐く息は荒くなり、段々とくらくらしてきた私は、更に作業能率を落としてしまう。「悠さん…」振り返ってキッと睨んだつもりが、力が入らず、ただ乞うような顔になってしまったのがわかる。「言わないと止めないし、これ以上のこともしない。ずっと焦らされたいの?」不敵に笑う彼は、また

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